メタボリック・シンドローム
私がこの言葉を初めて聞いたのは今年になってからでしたが、アメリカでは1990年代から提唱されていて、動脈硬化発生の重要な原因なのだそうです。メタボリック( Metabolic )とは代謝(注参照)の意味であり、シンドロム( Syndrome )とは症候群のことです。従って直訳すれば「代謝症候群」と呼ぶべきものですが、 日本でも同じ時期から「内臓脂肪」と動脈硬化、高血圧、高脂血症 との因果関係を研究していて、それらを「内臓脂肪症候群」と呼んでいた為に、メタボリック・シンドロームの訳語にこの言葉を当てることになったものです。外国ではそれまでは「シンドローム・X(エックス)」とか「死の四重奏」とか呼んでいましたが、メタボリック・シンドロームの名前に統一しました。
かつては動脈硬化を促すのは、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病であり、それらが別個に進行した状態の時に動脈硬化が起きると考えられていましたが、最近の研究によればそうではなく、内臓脂肪の蓄積(肥満)が原因で生活習慣病を発症し、それらが絡み合うことで急速に動脈硬化が進行する、と考えられるようになりました。
日本では去年(2005年)から日本人向けの診断基準が決められましたが、それによれば、肥満度として、オヘソの位置で計る腹囲が男性では85センチ以上、女性では90センチ以上の場合であって、次の検査で二つ以上の異常がある場合です。
1:高血糖、空腹時の血糖値が110 mg/dl以上。
2:高血圧、最大血圧(収縮期)が130 mmHg以上または、最小血圧(拡張期)が85 mmHg以上。
3:高脂血症、中性脂肪150 mg/dl以上または、HDL コレステロールが40mg/dl未満
では私の値はどうかといえば、腹囲が87で肥満であり、空腹時血糖は126で高く、最大血圧が150、最小血圧が90で高血圧、中性脂肪が226と範囲外の高脂血症でした。つまり前述の「死の四重奏」にぴったり該当していました。折も折、女房の妹の亭主が三日前に脳梗塞で倒れて意識不明になり、救急車で運ばれ入院しましたが、今も意識不明が続いています。この次は私の番(?)かも知れません。
注;)代謝の定義とは、外から取り入れた物質を基にした合成と分解からなる物質の交代と、それに伴うエネルギーの生産、消費のことです。具体的には食物を食べることによりタンパク質、糖質、脂肪を取り入れますが、例を糖質にとると、体内でブドウ糖に分解され吸収され、細胞活動のエネルギー源になります。
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