スチュワーデス予備校
航空会社のスチュワーデスになりたいという若い女性をターゲッとにして、 日本の主要都市には、いわゆる「スチュワーデス学校/学院」なるものが数多くあります。その経営者や講師には元「デス」の起業家がなる場合が多く、教える内容としては「デス」の心構え、航空知識、歩き方、作法、化粧の仕方、話し方、などなどです。
鶴丸航空の元機長の荒俣(あらまた)落太氏によれば、航空会社の「デス」採用担当者はこれまで何千人もの応募者の面接をしているので人物の鑑定眼に優れ、顔を見ただけで九割方、合格、不合格が分かるのだそうです。採用担当者によれば、「デス」の予備校に行っても行かなくても、あまり関係がないとのことでした。他人の商売をことさら批評するつもりはありませんが、授業料もなかなか高く、一コース当たり安くて三十万円から高いところでは六十万円もするのです。
それだけでなく航空会社が行う面接試験の数ヶ月前になると、「特訓コース」と称して三十万円近くの料金を払えば、面接に必要な知識、テクニックを授けると共に、面接の練習を何度もするのだそうです。
また最近では応募書類に添付する写真を専門に撮るビジネスもあるそうで、如何に清楚に美しく撮る(写真の修正をする?)かによって、値段も2万円から10万円までランクがあるのだそうです。更に「デス」の受験に備えて、より美しく(?)理知的に(?)見せるため、親からもらった顔を「デス」用に美容整形で改造する女性もいると聞いております。道理で美容整形医師が娘を誘拐され、三億円を要求されるほど儲かるワケです。
これまで公表されたことはありませんでしたが、平成11年に男女雇用機会均等法が施行する以前は、社員の採用には指定校制度というのがあり、東大を頂点とする国公立大、早慶以下の私立大の中から一定レベル以上の大学を指定校にして、それ以外の大学の出身者からは願書を受け付けないとする大企業もありました。その一方で航空会社の応募には、「コネ」があって当たり前と昔から言われてきました。
かつて鶴丸航空には俗に P T Aといわれた国会議員が四十人もいましたが、彼らの子弟子女を社員として多数採用した結果でした。P T A は鶴丸航空の為に、陰になり日なたになり何かと便宜を図ってきましたが、航空会社が儲ける為に必要なことは、利益が上がる「美味しい路線」を獲得することです。 その基本政策を決めるのが国交省(旧運輸省)のお膳立てで、国会で開かれる運輸政策審議会であり、そこに審議委員として出席するのが国会議員の「センセィ」でした。
その「センセィ」に何かと便宜を図っておけば、見返りがあることは当然でした。「デス」の採用についても同じことがいえます。前述の鶴丸航空の荒俣氏によれば「センセィ」達だけでなく、マスコミ関係者、大手旅行会社、メインバンク、空港周辺の自治体などのトップから、娘や親類の娘を「デス」に採用するように、航空会社にお願い(要求)が来るのだそうです。
荒俣氏によれば男性社員とは異なり、頭が悪くて顔も悪い娘(こ)を「デス」に採用しても、会社の将来を担うわけでは決してないので、会社にとってどの程度の利益があるのかで、「コネ」の採用を決めるのだそうです。そういえば機内で時には、「デス」の採用担当者の審美眼を疑うような「デス」を眼にすることがありますが、余程強力な「コネ」の持ち主に違いありません。 しかもそういう「デス」に限って当然のことながら、なかなか結婚せず、従って退職もしないのだそうです。
参考までに2006年度大学就職人気企業ランキングでは、文系女子の場合、1位は J T B 、2位 A N A 、3位資生堂、4位 J A L、5位サントリーの順でした。
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