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2006年7月 6日 (木)

男性客室乗務員

航空会社は水商売と以前述べましたが、景気の良し悪しにより「デス」の採用数も大きく影響を受けます。縄文航空でも不況の最中の平成14年、平成15年の二年間は、「デス」の採用を中止しました。しかし翌年の平成16年になると、250名の「デス」を採用しましたが、17年には新卒250名に加えて既卒枠で330名の大量募集をしました。

更に平成18年入社分には、450名の「デス」を大量採用をしましたが、その理由は景気回復が進む中で航空業界にも追い風が吹き始め、平成21年(2009年)には現在工事中の羽田空港に4本目の滑走路ができるために、大幅な増便が期待できるからです。

退職してから金野氏は年に五~六回は所用で大阪と東京を飛行機で往復していますが、ある時縄文航空に乗ったところ、男性の客室乗務員がいるのに気が付きました。平成11年(1999年)から男女雇用機会均等法が施行されたために、スチュワーデスやスチュワードの呼称が廃止されて、客室乗務員( C A 、キャビン・アテンダント)になり、女性だけを採用することができなくなり、少数ですが背が高くて「イケメン」の男性の客室乗務員も採用したからでした。

しかしいわゆるスチュワードを昭和28年から採用してきた、鶴丸航空の社内事情をよく知る荒俣(あらまた)落太氏によれば、男性客室乗務員は気の毒なことに「男子一生の仕事」ではなく、将来性の面でお先真っ暗なのだそうです。

Rufuto 「デス」と同様に一年毎の契約社員として安い給料(約20万円)で働き、三年後には正社員になり、アシスタント・パーサー、パーサー、チーフ・パーサと職場での階級を登って行ったとしても、結局のところ酷な表現をすれば機内で四十面(づら)を下げてファースト・クラスのお客に、ワインを注ぐ仕事しか無いわけです。(クリックで写真が拡大)

機内サービス担当者としての年齢を過ぎた四十代後半から、五十代の男性客室乗務員を、仮に国際旅客部に配置させようとしても、接客能力以外に営業関係の管理職に求められる知識、経験が無いため役に立たず、使い道が無いために結局は子会社に出向させられて退職まで不遇を嘆く状態です。縄文航空としても三十才以前の若い内に、彼らの職種を客室乗務員から営業職、事務職に変更して鍛え直した方が、本人の将来の為にも会社の為にも良いのではないかと思います。

ついでに言いますと外国に行った場合に、訪れたレストランが一流かどうかを簡単に見分ける方法がありますが、ご存じですか?。それはウエイトレスがいるかどうかです。もしウエイターではなく店にウエイトレスがいれば、そのレストランは格が低く決して一流ではない証拠です。かつて日本では洋服の仕立屋や、着物の仕立屋は女性ではなく、男性のする仕事でした。長年の技術の習得と、経験が必要だったからでした。

外国ではウエイターもそのような職業と考えられていて、ご存じのように彼らには店の固定給が無く、顧客が支払う食事代の最低でも15%のチップ、都会の一流店では20%~25%のチップを唯一の収入源としています。聞くところによれば米国の一流レストランともなると、ウエイターは月に1万5千ドル(165万円)~2万ドル(220万円)の収入があるといわれ、店によってはウエイターが店の良い位置にある座席を店のオーナーから賃借していて、自分の顧客に提供するシステムもあるそうです。更に一流レストランのウエイターのポストが、彼にとっては退職金代わりの高い値段で取引されるのだそうです。

国賓を迎えて皇居で行われる晩餐会のテレビ放映を次回からよく観察して、そこでサービスに当たるのはウエイターだけであり、ウエイトレスなど絶対にいないことを確かめてみて下さい。

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