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2006年8月21日 (月)

手荷物捜索クルー

十日間家に遊びに来ていた小学生の二人の孫と、五日間いた娘と別の孫が、昨日ようやく帰ったので、我が家の「夏の狂乱」も終わり、やっと老夫婦だけの平穏な生活に戻りました。

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お盆休みの最中に英国では航空機爆破テロ計画の容疑者二十四人が、事前に逮捕されるという驚くべき事件が起こりましたが、2001年9・11に米国で起きた W T C (世界貿易センター・ビル)を初めとする、旅客機連続自爆テロ事件直後のニューヨークのケネディー空港の厳戒振りは、後輩パイロット達の語り草でした。

靴を脱がされ、ズボンのベルトやネクタイ・ピンも外して金属探知機を通過しようとした日本人の多くは、それでも探知機のブザーが鳴りましたが、感度を最高に高めた探知機のせいで、金歯に反応したのだそうです。別の話ではウソか本当か、パスポートの表紙に印刷してある金色の菊の紋章に反応したという話もありました。

さらに身体検査の際にもたもたしていると、先に X 線検査を終えた貴重品が入った機内持ち込み荷物を、検査テーブルから持ち去られるという事件が多発しましたが、検査係官が荷物の正当な持ち主が誰か、分からない点に付け込んだ「置き引き」犯人たちの仕業でした。平成元禄の太平の世に慣れた日本人は、外国旅行の際は、油断も隙も禁物です。

8月15日付のイギリスの夕刊紙イブニング・スタンダードによると、英国の旅客機爆破テロ計画の影響で、ロンドンのヒースロー空港でチェックインした手荷物二万個が、所在不明になっていると伝えました。同紙によると所有者の名前や住所を記したラベルを適切に貼らなかったことが原因なのだそうです。

ところで縄文航空では前述したロンドンのヒースロー空港で多発する、手荷物の紛失事故に対処するために、同空港の荷物取り扱いに詳しい英国人のバゲッジ・クルー( Baggage Crew 、手荷物捜索係)を四名雇い入れて、行方不明になった手荷物の捜索発見、追跡調査に当たらせています。バゲッジ・クルーはヒースロー空港だけにいて、それ以外の空港にはいません。

出発空港のカウンターで預けた手荷物は自動的にコンピュータ処理されていて、世界中の空港と専用回線で結ばれたコンピュータのバゲッジ・トレーサー(手荷物追跡装置、Baggage Tracer )に手荷物のタグの番号を入力すれば、手荷物の経路、現在の場所が直ぐに分かる仕組みになっています。

Baggage_crew しかし問題はその手荷物に付けられたタグ(荷札)が途中で脱落した場合や、空港のコンテナ置き場の片隅で、コンテナーに積んだまま、飛行機への搭載やコンテナからの取り下ろしを忘れられた場合が多いのです。英国人の労働習慣から勤務時間が過ぎると、仕事上の引継もせずにさっさと帰宅してしまうなどの国民性にも原因があります。そこでバゲッジ・クルーは行方不明になった手荷物をコンピュ-タで捜索するだけでなく、広いヒースロー空港の手荷物置き場やコンテナ置き場などを探し廻り、処理を忘れられ、放置されたコンテナや手荷物の発見に努めるのです。写真はクリックで拡大。

ちなみに持ち主が不明の手荷物( Lost Baggage )や、持ち主が空港に引き取りに来ない「忘れ去られた手荷物」( Forgotten Baggage )はどうなるかご存じですか?。一定期間預かった後に中身もろとも売りに出され、航空会社の収入になります。電車の車内に置き忘れられた傘などの品物が、後で売られるのと同じ扱いです。

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コメント

楽しい夏休みだったようですね。
我が家は孫二人が数日、それなりに大変ですな~。しかし20,000個とは凄いですね。

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