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2006年8月 6日 (日)

外資系のデス

スチュワー「デス」になるには日本の航空会社だけでなく、日本に乗り入れている数多くの外国航空会社も、日本人乗客に対する集客性、利便性を考慮して日本人を採用していますが、雇用形態などは日本の会社とはかなり異なります。そこで外資系「デス」の特徴を箇条書きにしてみます。

1:定期的な採用をせずに、「デス」に欠員が生じた場合など必要に応じて、ジャパン・タイムズなどの英字新聞の広告欄に募集広告を載せて公募します。

2:一般に採用人数が少なく、訓練に時間と手間が掛かる新卒者よりも、即戦力となる「デス」の経験者を採用する場合が多いようです。もちろん英語でグループ・デスカッションができる程度の、語学力が必要です。

3:「デス」の雇用は全て契約社員であり、3年~5年の契約期間終了と共に解雇される場合が多く、日本の航空会社のように、三年後に正社員に採用される道は全くありません。ちなみに縄文航空では「デス」の契約社員の内から、その間の退職者を含めて、3年後の正社員への雇用率は約50パーセントであり、鶴丸航空の場合は過去6年間に2916人を契約社員の「デス」に採用しましたが、三年後には1580人、率にして54パーセントが正社員になりました。

4:外国航空会社は日本の会社に比べて「ドライ」というか、従業員を簡単に解雇する傾向があることで、乗客の搭乗率悪化を理由に日本への運航が突然打ち切られ、日本人「デス」が全員解雇された例がありました。

Attendant3 5:外資系「デス」の中には外国航空会社から次の外国航空会社へと、より良い条件を求めて渡り歩く、いわゆるジョブ・ホッピング( Job Hopping )をする「デス」もかなりいますが、それができるのもせいぜい三十代までで、それを過ぎると「デス」としての就職口も無くなります。その後は海外旅行社の添乗員などで生活する人がいます。(写真はクリックで拡大)


6:給料はせいぜい20万円~25万円/月程度、年収で250万~300万円と安く、日本ではぎりぎりの生活ですが、東南アジアの国では高給取りの部類に入ります。

7:航空会社によっては物価の高い東京を日本人「デス」のベース(主基地)にせずに、ロンドンなどをベースにして、そこから乗務を開始//終了させますが、日本と離れて生活することになり、日本国内の情報から取り残されます。

8:米国の航空会社では労働組合の力が強く、タフト・ハートレー法により禁止されているクローズド・ショップ( Closed Shop )制に近い制度を採用し、労働組合員でなければ会社が雇用できない仕組みで、組合員になる為には米国の市民権が必要となります。 したがって日本人を採用しても「デス」の仕事は一切させられずに、機長のアナウンスを後で日本語でアナウンスして伝える機内通訳の仕事や、入国書類の記入方法について日本人乗客に手助けするのが主な仕事になり、米国の航空会社の「デス(?)」は、やり甲斐のある魅力的な仕事とはいえません。

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