手荷物の紛失事故
手荷物の紛失事故については国内の旅行ではあまり気になりませんが、海外旅行の際には出発時に預けた手荷物(旅行カバン、スーツケース)が、目的地空港の回転式テーブルやベルト・コンベアに無事に出てくるまで、心配になるものです。その昔ロンドン・ヒースロー空港は、手荷物の破損、中味の盗難事故が多発したので、世界的に悪名が高い空港でした。その原因とは長い間空港に巣喰っていた、空港貨物従業員をメンバーとする犯罪組織集団(マフィア)の存在でした。
監視の届きにくい手荷物の仕分け場所や飛行機の貨物室の中で、従業員達がバールでトランクのカギを壊しては、貴重品を盗んでいたのでした。手荷物の中に貴重品を入れる傾向があった日本人は、スーツケースに布製のベルトを巻く独特の風習や、名札の名前から特に狙われて被害に遭いました。
航空会社がガードマンを雇い入れて手荷物の監視を強化すると、次には手荷物を入れたコンテナを飛行機に積み込み/下ろしするハイリフト・ローダー( High Lift Loader )やコンテナー運搬車( Container Pallet、Dolly )を空港内の駐機場に向かう途中でわざとパンクさせ、飛行機の出発を遅らせたり、荷物のトランクやスーツケースのカギ穴にクギを打ち込んで、旅客を困らせる嫌がらせなどをしました。写真はクリックで拡大。
各国の航空会社の強いクレームにより空港警察やロンドン警視庁もようやく捜査に乗りだし、犯行に加わっていた50人以上の従業員が逮捕され、窃盗組織は壊滅しました。しかし荷物の盗難事故はロンドン・ヒースロー空港に限らず、ローマのフミチノ空港、パリのシャルル・ドゴール空港など、日本以外のどこの空港にも手荷物を狙う従業員の盗人が必ずいるので、盗難事故は起こります。
昨日の新聞によれば(米国の)航空会社ではテロに対する保安上の理由から、最近手荷物に鍵を掛けないように乗客に指示するようになった為に、グアム空港では航空会社に預けた手荷物の中が荒らされて、貴重品が盗まれる事件が多発していると報じられましたが、ドロボーにとっては願ったり叶ったりの事態です。
盗難とは別に手荷物の紛失事故(ロスト・バゲッジ、Lost Baggage)がありますが、ヒースロー空港は今でもこの分野で悪名が高いのです。その理由としては年間6,500万人の乗客が出入りし、90の航空会社の飛行機が世界中の200の目的地に向けて/から出入りし、毎日1,250便が離発着し、年間に7,500万個の手荷物を取り扱うからと弁解しています。しかし実際は自分の勤務時間が終わると、仕事の途中でもすぐに止め、 次の勤務者へ仕事の引き継ぎもせずにさつさと帰宅する無責任な、換言すれば「カネにならない」サービス残業は1分たりともしない、イギリス人の労働慣行にあるといわれています。
ヒースロー空港は、手荷物(Checked Baggage)がなんと毎日1千個も行方不明になり、天候不良でフライト・スケジュールが混乱すると、更に数が増えるのだそうです。そのためロンドン・ヒースロー行きの飛行機に乗る際には、貴重品はもちろんのこと旅慣れた人は数日間の生活に必要な化粧道具、下着類などを、機内に持ち込む場合が多いと言われています。ところであなたは手荷物の事故に遭ったことがありますか?。私は一度だけありました。
ブログのお盆休みのお知らせ
目的地空港まで「デス」や地上係員が責任を持って子供を送り届けてくれる、「お子様一人旅」の制度が縄文航空にありますが、それを利用して明日(10日)から横浜にいる小学生の孫二人が、胸に荷札を着けてもらい飛行機に乗って遊びに来ます。孫の相手や旅行などで忙しいため、ブログもお盆休みに入ります。再開は孫が帰る20日過ぎの予定です。
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くだんの記事は昨日の読売夕刊で見ましたが酷いもんですね。
この時期になると「シルバー回顧録」の随筆集の「広島原爆とサメ」を思い出し背筋が寒くなります。しかし、暑いですね。
投稿: e_fan | 2006年8月 9日 (水) 13時35分
暑い毎日ですが、糖尿病治療で歩く時間帯を、早朝5時半スタートに変更しました。私が歩きの途中でコロリと逝くのを心配した老妻が、一万歩ではなく七~八千歩に減らすように言うので、夏の間だけ運動量を減らしています。
ヒースロー空港では手荷物の紛失、行方不明事故が多いので、縄文航空では他の空港には無いある対策をとっていますが、その対策とは「お盆休み明け」をお楽しみに!。
投稿: 金野 | 2006年8月 9日 (水) 15時10分
偶然ヒースロー空港でテロ事件です(⇒URL)
投稿: sakanoue | 2006年8月10日 (木) 21時49分