I D カード
昔は学生には学生証が、社員には社員証がありましたが、縄文航空では社員証とは言わなくなり I D ( Identification 、識別)カード と呼ぶ、プラスチック製の写真付き、磁気テープ付きの身分証明書に変わりました。それと共に例の首に掛けたストラップに I D カードを下げた姿が、縄文航空の社内でも見られるようになりました。
乗組員の場合は昔から I D カード をクリップがついた ビニール・ケースに入れて、胸のポケットから下げる方法でしたが、今も変わりません。かつて縄文航空の社員証には有効期限がありませんでしたが、終身雇用制なので中途退職者は社員証を返却すれば済みました。ところが外国に行くようになると、有効期限が書いてない I D カードなどあり得ないといわれ、数年に区切って有効期限を設定するようになりました。写真はクリックで拡大。
国際線に乗務する場合に最も重要なものは、パイロット の ライセンス(免許証)、パスポート、それに会社の I. D. カード(写真付き身分証明書)です。パスポ-ト があれば I. D. カード など不要と思われるかも知れませんが、そうではありません。出国する場合には乗組員は一般旅客とは別の通路を使うので、制服の胸にきちんと I D カードを表示していなければなりません。
乗組員の場合は出入国の際に パスポートに出入国のスタンプを押すことはなく、それを毎回したら パスポートの余白が直ぐに無くなってしまうからです。出国検査場の乗組員専用入り口を通過する際には、「縄文航空」の XYZ 便ですと名乗ると、予め会社が入管や税関に提出している G D ( General Declaration 、一般申告書 )の便名の乗組員名簿を見て、入国管理の係官が確認するというのが建前です。
しかし制服を着たクルーがまとまって出国するので、相手も一人一人名前を確認することや、 G D に印をつけることは滅多にしません。外国でも I D カード が重要なのは英国系の国で、ロンドンや ホンコン、シドニーではパスポートを見せずに、胸に付けた I D カードの表示だけで出入国します。20年以上前のこと、ホンコン便に乗務予定の「某航空会社」の パイロットが、パスポートを忘れて出社したのだそうです。
前日に米国領事館に米国の クルー・ビザ ( C-1 )、通過 ( トランジット ) ビザ ( D-1 )を貰いに行き、パスポートを運航カバンに入れるのを忘れた為でした。出発1時間半前になっての パイロット変更は、時間的に離陸時刻に遅れが出て乗客に迷惑が掛かります。本人は会社には内緒にして自分自身の判断と責任で、パスポートを持たずに乗務することに決めたのだそうです。ホンコン入国は前述の如く問題なく済みましたし、翌日の日本への帰国の際も乗組員は入国審査の際に パスポートの チェック が無いので、彼は何事もなく無事に仕事を終えることができたのだそうです。
乗客が機内で飲む酒類は全て無税です。ですからいくら乗客が飲んでも会社の出費は多寡が知れています。ある時 「縄文航空」 の部長と称する男が、出張時に ファースト・クラス の座席で 「タダ酒」 に酔っぱらい、大声を上げるなど ファースト・クラスの他の上品なお客様に迷惑を掛ける行為をしたのだそうな。そこで怒り心頭に発した チーフ・パーサー が、帰国後に キャビン・レポート を提出し、航空会社の社員にあるまじきその男の醜態を会社に報告しました。その結果彼は上司から大目玉を食い、左遷させられたともっぱらの ウワサ でした。
最近になって酒酔い運転の取り締まりが厳しくなりましたが、飲むなら( 飛行機に )乗るなとは言いませんが、気圧が低い上空では酒に酔い易いので、飲むならほどほどにすべきです。機内で酒に酔った乗客が暴れることは、航空界で年に 1~2 度聞きますが、オーストラリア の航空法では、身柄を拘束する為の手錠の搭載を義務づけていましたが、その内に日本もそうなることでしょう。(続く)
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コメント
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お友達の金野氏は鹿屋一空出身じゃなかったですか?
すぐ上の兄夫婦が近々《飛鳥II》のクルーズで奄美大島/名瀬港も寄航するので、道路状況がOKなららんかん山の「くれないの塔」を初めて訪れるつもりだそうです。
たまたま、その兄の友人が今年鹿屋基地を見学したそうですが、まだ遺影が掲げられていて故鈴木一尉の前に誰かが花を供えていたそうです。
投稿: Y.S | 2006年9月23日 (土) 11時26分
はい、一空で私めは八戸の二空でした。ところで恥ずかしながら、卒業後はクルーズ船はおろか船といえば、フェリーの大阪--徳島航路に一度乗っただけで、羨ましい限りです。飛鳥2の、安全なる航海を祈ります。
( Bon Voyage 、ボン・ボイヤージ )
投稿: Y.O | 2006年9月23日 (土) 19時01分