国際結婚とデス
金野氏から聞いた話。
金野氏の出身高校は栃木県、栃木市にある栃木高校だそうですが、地元では「栃高」のことを「とちこう」ではなく、「とちたか」と呼ぶそうです。「とちこう」と言うと「栃工」、つまり栃木工業高校のことを指すとのことでした。ある時「とちたか」のクラス会に出席すると、クラスメートの山口君(仮名)から娘が縄文航空のスチュワー「デス」になって、成田に勤務しているので宜しくといわれました。
「デス」といっても社内には二千人もいるので、同じ「デス」と同じ便に乗ることなど滅多にありません。ところが半年後のある日、成田からの国際線乗務で山口君の娘と一緒に飛ぶことになりました。「デス」の機内配置表に山口という名前があったので、試しに父親が栃木県の出身かどうか尋ねたところ、偶然にもクラスメートの山口君であり、彼女はその娘であることが判明しました。
それから十年以上過ぎたある日、金野氏の所に山口君から電話があり、高校時代の「担任だった恩師をかこむ会」をするからという連絡でした。その際に「デス」をしていた娘さんのことを聞くと、アメリカ人と結婚してアメリカに住んでいて、子供が三人いるとのことでした。
「デス」の仕事柄外国人と接する機会が多く、中には海外の宿泊ホテルに着くと直ぐに男が車で迎えに来て、外泊する「デス」もいると聞いていましたが、大人である「デス」の勤務時間外の行動について、他人がとやかく言う筋合いのものではありません。
ところで日本人の国際結婚については日本人同士に比べて、離婚率がかなり高いという統計があります。民族、文化、宗教、生活習慣、考え方の違いから、約五十パーセントが離婚するといわれていますが、離婚してもアメリカの場合にはグリーン・カード(永住許可証)が有効なので 、働くことも可能です。写真はグリーン・カードで、クリックで拡大。
二重国籍を認めるイギリス人と結婚した日本人女性の場合には、九十五パーセントが日本国籍を保有し続け、万一の離婚に備えているともいわれています。日本人女性は外国人と結婚した場合に、あたかも本籍を変更する如く、直ぐに国籍の変更をし勝ちですが、結婚と国籍とは全く無関係です。一般にいわれることは、二、三十年その国に住んでみてからでも、国籍変更は遅くはないのだそうです。
日本人と結婚して日本に住む外国人では外国籍の者が大勢いますが、その理由は離婚後に母国に帰る事態に備える為だそうです。定住外国人にとって外国籍のままで日本に住むことの不便さは、選挙権が無いこと、運転免許証の大きさの外国人登録証明カードの、携帯義務があることだけで、国民年金も、健康保険も日本人の場合と同じです。
しかし哀れなのは「冬のソナタ」以後に始まった韓流ブームに乗って、韓国人と結婚し韓国に住む元 「デス」 の場合です。正式に結婚していれば定住外国人として韓国の定住権だけは与えられますが、祖国で法律上「三等韓国人」の処遇を受ける在日韓国人と同様に、「就労権 ( 就労 ビザ )」が与えられずに、健康保険も万一の場合の生活保護も受けられないのです。
もし夫が病気で働けなくなった場合には、「就労権」 を持たない日本人妻が働いて収入を得ることができないのです。ひそかに日系企業などで働けば、韓国人社会に 「はびこる」 密告制度により 、「不法就労」 の罪で警察に逮捕され、最悪の場合強制送還されることになります。
では日本国籍を離脱し、韓国籍を取得した後で離婚した場合にはどうなるのでしょうか?。日本に帰っても韓国人と同じ扱いとなり、入管に居住申請を何年も繰り返すことになります。自らの意志で離脱した日本国籍の再取得は、非常に困難です。
ところで縄文航空が ニューヨークの ケネディー空港で使用する ターミナル は、「ターミナル 7」 ですが、一般には B.A. ターミナル ともいわれます。これは B A( British Airways )が資金を出して建設したもので、ユナイテッド 航空を初め店子の航空会社は家主である B A に家賃を払っています。写真は道路側から見た B.A. ターミナル 、クリックで拡大。
あるとき金野氏はそこで新顔の現地採用の日本人女性を目にしましたが、事情を知る者によれば、以前鶴丸航空の 「デス」 をしていましたが、アメリカ人と結婚渡米後に、わずか半年で離婚したのだそうです。ケネディー空港における鶴丸航空の使用 ターミナルは、「ターミナル1」 ですが、かつて仲間だった 「デス」 に顔を見られたくないので、鶴丸のターミナルで働くことができずに、縄文航空で働くことになったのだそうです。
離婚後も永住許可証は有効だし、ゲートで搭乗開始のアナウンスなどの慣れた仕事をしながら、別な男でもアメリカで見つけるつもりだったのしょうか?。しかし ウワサ によると彼女の髪形や容貌などの変化から、短い間に生活がすさんでいったらしく、この ターミナルからやがて姿を消しました。
金野氏によれば日本から来た ホームステイ や、簡単に入学したものの単位が取れずに、大学を卒業できずにいる 「遊」 学生などの若い女性が、異国の地で転落の軌跡をたどるのを、これまでも多く見聞きしてきたのだそうです。
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