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2006年10月25日 (水)

殉職したデス

金野氏から聞いた話

親友である鶴丸航空 O B の荒俣(あらまた)落太氏から電話がありましたが、それによると元「デス」の中でアメリカで離婚し、その後もアメリカに住んでいましたが、病気( エイズ ?)になり、日本に帰国した例があったとのことでした。「国際結婚とデス」のブログに書いた B.A. ターミナルで働いていた女性と、あるいは同じ人だったのかも知れません。

ところで 「デス」の殉職といえば飛行機事故だけでなく、北米ワシントン D C の ダレス空港で、縄文航空の「デス」が出発間際の飛行機から地上に転落して、殉職するという痛ましい事故が二十年近く前にありました。

Dulles ダレス 空港では空港の中央に ミッド・フィールド・ターミナル ( Mid field Terminal ) がありますが、そこにはジャンボ・ジェット機の客室床面と同じ高さまで上昇可能な床を備えた モービル・ラウンジ と呼ばれる大型バス に乗り移動します。かつては モービル・ラウンジ を使用して駐機場の飛行機に直接乗り降りしていましたが、時間が掛かるので現在では利用されなくなってしまいました。写真はクリックで拡大。

ある時、日本への出発準備を完了し全ての ドアーを閉めた後で、飛び込み搭乗をした乗客用の食事を追加搭載する必要に迫られました。その為に普段は開けない ジャンボ・ジェット 機の L-5 (最後部の左側 ドアを開けて、そこから搭載することになりました。

B747dal その ドア を緊急時以外に手動で開けるには、機内と機外の連携 プレイが必要で、機内の レバーを動かして ロックを外し、外に押し出すと共に機外の人が外側に引き ドアを一杯に開けるのです。事故はその際に起きました。デスが手を離さない内に ドアを外側に開いたので、「デス」が バランスを失い機外に転落してしまいました。運悪く タラップ車と機体の隙間から 三メートル下の地上に落ちて、頭を強打してしまいました。写真の赤矢印のドアから。

すぐに救急車で病院に運びましたが、ここからが問題でした。彼女は独身でしたので重大な手術を受けるには、親の同意書が必要だと病院が主張したのでした。それから真夜中の日本に国際電話をかけ、親に事故の状況を説明し、頭部の手術をすることに親の同意を得てその旨を病院に連絡しましたが、口頭による同意に病院側が難色を示しました。

医療裁判が多発する米国では、裁判で証拠となる文書が欲しかったのでした。結局 ダレス空港駐在の縄文航空の責任者が、患者に対して全責任を負うことを文書にして決着し、頭部の手術がおこなわれましたが、脳挫傷により 「デス」は死亡しました。気の毒なことでした。

ちなみに アメリカの医療費は極めて高額で、一例を挙げると盲腸の手術の相場は入院僅か 一日で 200万円以上であり、患者は皆、手術で痛む腹を押さえながら翌日退院するのだそうです。その後は自宅や近くのホテルに泊まり、傷の手当て、抜糸に通院するのが普通です。

アメリカの医師は医療 ミス で患者から訴えられる事態に備えて、医療賠償保険に加入していますが、その為に医師が支払う保険料は平均で年間、二千万円にもなるのだそうです。だからその分、医療費が高くなるのです。

救急車で病院に運ばれた人に最初に聞くことは、「どのようにして医療費を払うのか?( 医療保険に対する加入の有無と、その種類 )」であり、支払い能力がない患者への診察(どこが悪いのかの診断)はするが、その患者への治療を拒否する権利が、法律上認められているのだそうです。

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