エンジンの数
東京に三泊して昨夜大阪に帰りましたが、半年ぶりに東京に行くと、 J R 山手線や中央線などの車体の外側に、大きな広告が描かれ(貼り付けられ?)ているのに気が付きました。大阪ではバスやモノレールの車体に宣伝広告があるのを見たことがありましたが、JR東日本ほどの大規模な広告をみるのは初めてでした。
ところで大阪空港では今年の春からジャンボ・ジェット( B-747型機)の運航が禁止された為に、乗り入れる飛行機は全て双発機にとって替わりましたが、今回の東京行きでは ボーイング・トリプルセブン と呼ばれる 777-200型機(415席)に乗り、帰りは 777-300型機(524席)で帰りました。
ジャンボ・ジェットのように エンジン が四つある機体と、トリプルセブン や ボーイング767 型機などの、エンジン が二つしかない機体の安全性を比較すれば、単純にいえば、エンジンの数が多い方がより安全なような気がします。四発のうち一つの エンジン が故障しても二十五 パーセントの出力が失われるだけですが、双発機で一つの エンジンが故障すれば、五十パーセントの出力を失うことになります。
その為にアメリカの連邦航空規則( F A R )では双発機の運航には特別の規制として、イートップス、ETOPS( Extended Twine Engine Operated Procedures Routes 、双発機による長距離運航基準)の適用ルートを設けていて、飛行中に エンジン 故障などの緊急事態が起きた場合には、二時間以内に緊急着陸可能な飛行場のあるルートを飛ばなければならないとされました。
その後 エンジン の信頼性の向上に伴い、平成10年3月からは 二時間以内から 三時間以内に条件が緩和された結果、ハワイや、北太平洋上を飛行して北米の東/西海岸都市に、またグアム、オーストラリア などにも双発機で長距離の洋上飛行が可能となりました。
ところが、平成16年1月6日のこと 294 名の乗客乗員を乗せた コンチネンタル航空の成田発 アメリカ の ヒューストン行きのボーイング777-300 型機が、北太平洋を飛行中に油圧が低下した結果、二つある エンジン の一つを停止し、片側の エンジン だけで飛び続けました。一番近い島はコースの南近くにある アリューシャン列島ですが、大型 ジェット 機にとって唯一着陸可能な滑走路があるのは シェミア 島だけです。写真はクリックで拡大。
しかも冬の アリューシャン 列島は低気圧の墓場としての強風と、雪と氷に覆われる為に パイロット はそこへの着陸を選ばずに、二千五百 キロ 南にある ミッドウエー 島に向かい、そこへ無事に緊急着陸をしました。昭和 30年代までは日本から ハワイ へ直行可能な長距離性能を持つ飛行機が無かったので、民間航空機は途中にある ウエーキ 島へ、軍用機は ミッドウエー 島に着陸して燃料補給をしていましたが、ジェット 機の時代になると ミッドウエー 島は航空機にとっては利用価値を失い、その後は海鳥の営巣地として野生生物保護区になりました。ミッドウエー島には数多く生息する海鳥との衝突の危険がありますが、今回の出来事から双発機の緊急着陸場としての利用価値が、再浮上したことは間違いありません。
ところで鳥は飛行機の機体や エンジン にとっては、衝突(バード・ストライク、 Bird Strike )をもたらす大敵です。昭和 50年(1975年)のこと、 D C-10 型機が ニューヨークの ケネディー空港を離陸滑走中に、約百羽の カモメ の大群に突っ込んだ結果、多くの カモメ をエンジン に吸い込み、大破炎上する飛行機事故が起きましたが、今回の故障機を救援する為の飛行機は、整備士と部品、それに乗客用の三百食分の弁当を積んで、ハワイのホノルルから鳥が飛ばない夜間に ミッドウエー島に着陸しました。写真は大量の鳥を吸い込む事故により炎上する、オーバーシーズ・ナショナル航空の DC-10 型機です。
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コメント
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なかなか貴重なお話ですね。ところでサイドバーの「オンライン状態」はなにを意味しますか?
JR WESTは大阪駅が一変するようですね。
http://www.westjr.co.jp/company/affiliate/2011osaka/
投稿: Y.S | 2006年10月18日 (水) 21時07分
サイドバーの「オンライン状態」の意味ですが、管理人にも分かりません。「最近の記事」や「ココログからのお知らせ」なども黒字で書いてあるので、必要な場合にはニフティーから「オンライン状態」の下部に、何か表示されるのかも知れません。
試しに表示させたままでインターネット接続を切っても、何も変化はありませんでした。
投稿: | 2006年10月19日 (木) 11時32分
チワっ、失礼します。異論っす。
「単純にいえば、エンジンの数が多い方がより安全なような気がします」
⇒ ん…?
エンジンの数が多いほうが故障の確率は高くなるのでは?
「双発機で一つの エンジンが故障すれば、五十パーセントの出力を失うことになります。」
⇒ え…っと、パイロットが寝ていればその通りですが!
旅客機の双発機のエンジンは1個でも、ある程度飛べる余裕設計なのに対して、4発機は、エンジン3個でも飛べるという設計なので、双発機のエンジンが1個故障したら、残りのエンジンは、パワーを上げて飛行できる余裕がたっぷりあるんじゃ。
投稿: saito | 2008年9月 1日 (月) 21時22分
あんたが何を言いたいのか、この文章から俺には チートモ わかんないよ。国語の勉強も必要だね。
4 発より 3 発、それよりも 2 発、結局 1 発の方が
安全だと言いたいわけなの--?。
そうじゃなければ、エンジンの数はいくつがいいのか、はっきりしてよ。
先月大阪で単発の セスナ機が道路に不時着した
事故があったけど、単発の方が安全なの--?。
投稿: ピースケ | 2008年9月 2日 (火) 16時41分