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2006年11月27日 (月)

昔の機内サービス

Kinaisando かつては国内線の普通席でも食事時間帯に飛ぶと、サンドイッチや寿司などの軽食のサービスがあり、それ以外の時間帯でも飲み物サービスの際に、クッキーや小さいケーキなどが入った小箱を提供したものでした。しかし今では軽食サービスだけはあるものの、質を落としたものに代わりました。写真はクリックで拡大。

その当時は乗客が搭乗すると必ず「おしぼり」のサービスがありましたが、経費節減のあおりで週刊誌や新聞のサービスと共に廃止されてしまいました。新聞についても当時各地の空港から朝出発する初便の飛行機には、日経新聞や三大全国紙を搭載して、乗客のサービスにあてていました。

Shinbun ビジネス客が特に多い東京、大阪線では初便に大量の新聞を登載していましたが、大阪のサラリーマンの中には売店で新聞を決して買わずに、機内に用意した新聞を一人で二部も三部も取って座席で読むサラリーマンが必ずいました。それも一人や二人ではありませんでした。一人が多くの部数を取って行けば、後から乗る人には新聞が不足するのが当たり前ですが、大阪人に多い 自分さえ良ければ、他人のことはどうでもよい とする公衆道徳(?)の欠如と、何事につけても「シマツ(節約)する」という厳しい金銭哲学の結果でした。

井原西鶴が「世間胸算用」の中で、「金銀は商人の氏(うじ)、素性(すじょう)、商人のカネ無いのんは、首無いのんと一緒や」と書きましたが、大阪人 には江戸時代から現代に至るまで、その D N A が受け継がれているのでしょう。

飛行機とは関係がありませんが、毎年「ヒッタクリ」や車の「ひき逃げ」件数が全国一位という汚名を持つのと、無関係では無さそうです。

Keshouhin 大阪のことだけを書くのは不公平なので、ついでに名古屋の乗客のことも書きますと、ここも問題の多い土地柄でした。以前は機内のトイレに「ヘアー・トニック」や「ローション」などの整髪、化粧用の瓶を置いていましたが、名古屋空港に離発着するとそれがきまって盗まれました。トイレを使う乗客が瓶ごと持って行くのです。そこで盗難防止の為に瓶の蓋を外したものを置くことにしましたが、瓶を傾ければ中身がこぼれるので盗まれないと思ったからでした。

ところがそれでも盗んで行くのです。一説によると出張の際にサラリーマンが予め「ビニール・テープ」を用意して搭乗し、瓶のフタ代わりにビニール・テープを口に巻いて持ち出すのだそうです。会社もこれにはお手上げで、とうとう国内線での整髪、化粧品の搭載を止めにしました。

また名古屋の乗客は「ゴネル」のが多いのでも有名でした。飛行機の到着が遅れるとタクシー代を出せとか、商談に遅れた、入札に遅れたなどと 言いがかりを付けては、カネを「せびろう」とする連中がいました。東京と大阪の経済圏に挟まれて生活し、商売する土地柄から、それなりの「キビシサ」が自然に身に付いたのかも知れません。

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コメント

こんにちは
幸か不幸か、偶然、私の両親は名古屋出身、若くして大阪商人を志し来阪、それなりの成功もしたと思います。
子供のときから事あるごとに、普段は始末して同業だった嘉門さんや田附さんを見習いなさいと聞かされて大きくなりました。

「大阪中央公会堂」を寄付した相場師、岩本栄之助氏はともかく、嘉門さんや田附さんが真の大阪商人と思っています。↓

「済生会中津病院」
大阪紡織物株式会社などを創業した嘉門長蔵・コト夫妻が、私財100万円を財団に寄贈して中津病院を建設した。
「北野病院」
NHKの「クローズアップ現代」でおなじみの才媛、国谷裕子(くにや ひろこ)さんの祖父、大阪錦糸界の雄将、田附政次郎氏が、「最高の医療を大阪の地に」と多額の 私財を託されて設立。

これはこれは坂上田村麻呂将軍が、名古屋と大阪にご縁のある方とは存じませんでした。それを知っていたならば、大阪人と名古屋人の悪口など書きませんでしたが、今となっては後悔先に立たずということです。

誤解されないように申しますが、これはあくまでも一部の人の行為であって、大阪や名古屋の住人全てに該当することでは勿論ありません。しかし内容については、当時の運航関係者であれば、誰もが知っていたことでした。

昔から関西の経済界にも立派な方がおられたこと。中之島公会堂建築の為に、大正初期に百万円を寄付された岩本氏の件も存じております。

はじめまして

スチュワーデスやパイロットなどの航空業界の内輪話を、毎回楽しく読ませていただいております。「昔の機内サービス」に関連して、関西経済人の「公共への寄付行為」と比較して、関西人の「他を顧みないマナーの悪さ」が問題視されていますが、私は三年前に大阪に転勤して、現在大阪の郊外に住んでいます。

その経験から感じたことは、電車に乗車の際に行列に割り込む。降りる客がいるのに空席を求めて乗り込む。車の運転で悪質な割り込みをする。などのマナーの悪さや、駐車場が目の前にあるのに、カネをけちり市内の道路に違法駐車をする人が多いことです。他人の迷惑や権利の侵害の上に、いわゆる 「しまつ」 をするのが当然であり、換言すれば社会の規範よりも、「自己の利益獲得」を最優先させる風土であると感じた次第です。

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