フィリピンの巻
1975 年 ( 昭和 50 年 ) 頃のある時、 チャーター 便の運航で マニラ までは客を乗せずに空身で行き、マニラ から セ ブ ( Cebu ) 島まで戦没兵士を慰霊する遺族団体を運び、セ ブ 島から別の団体を名古屋まで運ぶ スケジュール がつきま した。
マニラ の空港は今では暗殺された政治家の ニノイ ・ アキノ ( 後に夫人が アキノ大統領になる ) の名前をとって ニノイ ・ アキノ 国際空港と呼ばれていますが、当時は ターミナル ・ ビル もお粗末で 、
中国の北京空港同様に、従業員による盗難が頻発するので、国際的に悪名が知れ渡っていま した。
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そのため各航空会社では マニラ 空港に駐機中は飛行機の 二 箇所の出入り口 ドア の所に、それぞれ ガード マン を配置することに していま した。
マニラ 到着後 「 スチュワーデス」 も 2 名を残して空港内の免税店に買い物に行き、金野内蔵 氏も操縦室の クルー と 一緒に セブ 島行きの飛行計画を提出に行き、出発まで時間があったので、出発 ロビー内で コーヒー を飲んで休憩 しま した。
その後飛行機に戻ると チーフ ・ パーサー が かんかんに怒っていま したが、理由を聞くと機内 サービス用の ウイスキーが、二本も盗まれたとのことで した 。マニラ到着時に確認 しているのに数が足らないのは、ガードマン が盗んだのに違いないとのことで した。
ガードマン は知らないの 一点張りなので、地上での ハンドリング ( Handling、取り扱い・補給 ) を担当する フィリピン 航空の係員に連絡 し、盗まれた分の ウイスキー を補充 して出発 しま した。
あとで聞くと 犯人はやはり 二人の ガードマン で、掃除夫と グルになり ウイスキー を機内から盗んで、掃除夫が目立たぬ様に機外に持ち出 したのだそうです。ガードマン が盗みを働 くとは、油断も隙もあったものではありませんで した。
セ ブ 島の名前をご存じの方は少ないと思いますが、南米大陸の最南端とその南にある フエゴ 島の間にある マゼラン 海峡を 1520 年に発見通過 した ポルトガル人で、スペインの探検船団を率いた探検家 ・ 航海者の マゼラン の名前を聞 いたことがあると思います。
その マゼラン がその後太平洋を西に向けて 百日 近く島を見ずに航海を続 け、地球を 三分の 二周 して セ ブ 島に来たところで、セ ブ島 ( 正確には隣接する マクタン 島 ) における原住民との戦闘で、 酋長の ラプ ラプ ( Lap-Lap ) に殺された所です 。写真は ラ プ ラ プの像、クリック で拡大。
セ ブ 島は フィリピン の マニラから 1 時間半 ほど南に飛んだところにある、さつまいもの形を した島ですが、空港は山の多い セ ブ 島には無 くて、東側に隣接する平らな マクタン 島にあり、セ ブ 島とは橋でつながっています。
空港は マゼラン の侵略から セ ブ 島を守った酋長の名前をとって、ラプ ・ ラプ空港という名前で したが、その後 マクタン ・ セ ブ 国際空港に変わりま した。実はここでも燃料補給に トラブル が起きま した。 写真は マクタン ・ セ ブ 空港です。
定期便が運行する ( オン ライン、O n L i n e ) 空港であれば飛行機の給油は何の心配もなく、駐在社員が地上 ハンドリング 契約のある会社に連絡 し、給油の手続きを してくれますが、定期便が運行 していない ( オフ ライン、 O f f L i n e ) 空港では簡単にいかない場合があります。
そういう場合に備えて機体には シェル 石油が発行 し、世界中の空港で飛行機の燃料補給の際に通用する、シェル 石油の国際 燃料 クレジット カード ( Shell Fuel Card ) を機内に搭載 していて、必要な場合にはその カード を業者に見せれば好きなだけ燃料を搭載できるはずで した。
ところが マクタン 空港の燃料業者は、クレジット ・ カード による決済を受け入れずに、現金での支払いを求めてきま した。
当時は機内に 3 千 ドル ( 当時の為替 レートで 90 万円 ) もの現金を事前に用意 しているはずがなく、フィリッピン 航空の現地係員に 一時借用を頼んでも ダメ なので、セ ブ 島から名古屋へ 4 時間半で直行する帰国予定を変更 して 一旦 マニラ に戻り、そこで燃料補給の上、名古屋に向かいま した。
定期便が行かない空港への運航は予期 せぬことが起きますが、普段行けない所にも行けるので面白いこともありま した。その後 セ ブ 島には泊まりがけで、一 度だけ行く機会がありま した。
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