初日の出
太陽を崇拝すること自体は、古代から自然崇拝の一つとして世界中の多くの地域にみられますが、日本でも特に一月一日の日の出を、「初日の出」と称して昔から崇拝してきました。
ところで太陽の神は男性なのでしょうか、それとも女性なのでしょうか?。ギリシャ神話やエジプト神話に登場する太陽神は男神とされますが、神話学者の多くは、太陽神は男神よりも女神のほうが主流であると主張しています。古事記、日本書紀にある天(あま)の岩戸神話で、太陽に神格化された「天照大御神、あまてらすおおみかみ、皇室の祖神、伊勢の皇大神宮の主神」は女性です。
参考までに祭神が男性であるか女性であるかは、神社本殿の屋根を飾る千木(ちぎ)の切り口と、棟に乗る鰹木(かつおぎ)の奇数、偶数を見れば分かります。詳しくはここをクリック。
十年前の夏に富士登山をしましたが、山頂近くの九合五勺にある山小屋に泊まり、翌朝暗いうちから登り始めて山頂でご来光を拝むことができました。夏山ですが木曾の御嶽山の剣が峰(3067 m )でもご来光を拝んだし、加賀の白山では室堂の山小屋から白山神社の神主が打ち鳴らす太鼓を合図に登り始め、頂上の御前峰(2702 m )で神主の講話を聞きながらご来光を待ちましたが、生憎の雲でこの時のご来光はダメでした。
「初日の出」に関して 物好きな私は、夜中に家を出て低山からの「初日の出」を拝んだこともありました。ある年の大晦日に、初詣の為に終夜運転する阪急電車に乗り、宝塚駅から六甲山の最高峰( 931m )を目指して、夜中の三時から尾根伝いの道を登り始めました。初めは ヘッドランプ だけを点灯させましたが、次第に細い山道に入ると木の根、岩につまづかないように手にも懐中電灯を持ち、真っ暗で誰もいない山道を一人で黙々と登りました。写真はクリックで拡大。
昼間であれば三時間半で登るところ、深夜のため四時間掛かってようやく山頂に着きました。帰宅後に女房から「真っ暗な山道を一人で登って怖くなかったか?」と聞かれましたが、怖いことは無かったものの、「何かの怪しい気配」 を感じて後ろを振り向き、懐中電灯で照らして確かめたことが、二度ほどありました。「ものの怪(け)」の仕業か、「いのしし」などの大形動物の「殺気(?)」だったのかも知れません。
ところで縄文航空では毎年「初日の出・フライト」と称して、大晦日の夜十一時頃に羽田空港を離陸し、名古屋に着陸し、熱田神宮か伊勢神宮に初詣をした後、羽田への帰途に「初日の出」を機上から見るツアーを何十年も続けています。それを飛んだことのあるパイロットの話によれば、その時は雲が多かったので名古屋を離陸後、途中から八丈島方面に向けて上昇し、高度八千メートルになってようやく雲から出て、無事に「初日の出」を見ることができたとのことでした。 左右に旋回を繰り返して、乗客の皆さんに公平に「初日の出」のサービスをしたとのことでした。
最近では羽田だけでなく、福岡からも「初日の出フライト」をしているようですが、大阪伊丹空港では夜九時の離着陸門限のため今後も無理でして、24時間オープンの関空からならできそうです。