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2006年12月22日 (金)

宇宙船のトイレ

Shodai 温水洗浄便座"は、「ウオッシュレット」という呼び名が一般的ですが、これはTOTO(元の名は東洋陶器)が名付けて、昭和55年(1980年)に販売開始した商品名でした。これより早く衛生設備メーカーのもう一方の大手のINAXが、昭和46年(1967年)に売り出した商品名は、シャワー・トイレ でしたが、ノズルが二本あったりした為に、あまり流行りませんでした。「万年筆」、「ボールペン」、「味の素」などと同様に、商品名が広く知れ渡ると、「ウオッシュレット」といえば温水洗浄便座を指すようになりました。写真は初代の製品、クリックで拡大。

ところで水洗トイレで「大」を流すのに、何リットルの水を使用するのかご存じですか?。通常ですと十リットルから十五リットルぐらいが平均的水量なのですが、阪神大震災後に建て替えた我が家の便器では、一回に付き十三リットルの水を使用します。今年売り出された最新式の節水型のものでは、 「大」六リットル、「小」五リットルだそうです。

菜食、穀物類の摂取が多い日本人は「大」の排出量が多く、肉食の欧米人は少ないために、少ない水で如何パイプを詰まらせずに流せるか、という節水開発の苦労があったのだそうです。

昭和43年(1968年)から始まった「アポロ計画」の頃の宇宙船には、トイレの設備がありませんでした。その為に乗員は「大」も「小」もすべて専用の袋の中に貯めて、消毒剤と共に密封して地球に持ち帰りました。しかし「小」の方は宇宙の滞在時間が長くなると、現在と同様に宇宙空間に捨てるようになりました。初めて地球を回る軌道を、五時間で三周したマーキュリー宇宙船のグレン 船長(後に上院議員)は、宇宙船の回りにキラキラと輝く、無数の「宇宙ホタル」を発見したことを地上に報告してきましたが、実は彼が宇宙空間に捨てた「小」が、微細な氷となってダイアモンド・ダストになったのでした。

現在のスペース・シャトルには男女兼用のトイレが備え付けられていますが、無重力状態での排尿、排便、そして「オナラ」には物理学の作用/反作用の法則が支配するので、排泄の前には身体を固定するのだそうです。特に「大」の場合には所定の位置に腰を掛けたら、まずスイッチを入れて待機します。いざ「もの」が出た途端に下に吸い込まれ、高速回転する電動カッターで粉々に砕かれて乾燥、貯蔵されます。

なお宇宙船のトイレは連続使用ができずに、以前は一人が使うとその後十五分間は使用できませんでした。現在でも数分は待たねばならないのだそうで、腹でもこわしたら大変です。

Katsuyakukin2 女性の排尿括約筋は膀胱出口にある内尿道括約筋だけしかなく、男性のそれは内と外の二段構えになっています。何を隠そう私は前立腺肥大切除手術を受けたので、二段構えの括約筋から、一段構え(外側の括約筋のみ)になったので詳しいのです。

女性は年をとると、重い物を持ち上げたり、「セキ」をすると人によっては尿漏れしたりするそうですが、若い女性でも遊園地のジェット・コースターなどに乗り身体に加速度がかかると、思わず「小」を「ちびる」女性もいると聞いております。

Shatoru 重力が膀胱に及ぼす影響については、スペース・シャトル打ち上げ時や、地球への帰還で大気圏突入の時に、重要な問題となりました。強烈な G-force (重力、加速度)が身体に掛かるため、女性の宇宙飛行士はその際に、思わず「小」が漏れてしまうのだそうです。写真はクリックで拡大。

アメリカ人女性や日本人女性の向井千秋さんも宇宙飛行士として活躍していますが、彼女達は DACT (ダクト、Disposable Absorption Collection Trunk )と呼ばれる液体を吸収して回収、処分する為の婦人用下着、つまり端的に言えば 「オシメ」 を宇宙服の下に必ず着けているのだそうです。(スチュア-ト・ヘンリーの著書参考)

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コメント

こんにちは
偶然ですが、この記事を読む2-3日前、20年近く愛用したウオッシュレットが操作盤あたりで水漏れ、部品は2000年で打ち切りのため新調しました。これだけ長期使用は珍しいそうです、旧町内だけまだ美味しい地下水の簡易水道を使っているせいかも知れません(塩素量など)。
これだけ永く使うと、実は同じ使用感のものでないと具合がわるいのです。
別宅のや、母屋その他メーカーが違ってもダメですね。
でも、テストできないので・・・
よくしたもので、いろいろな洗浄パターンの機種があり、ほぼ同じものにすることが出来ました。
そのような、要望はけっこうあるそうです。

宇宙船のトイレじゃないですが、昔ビールをタラフク飲んで家内の運転で高速走行中、ポリ袋一度に致したことがありました。
数日前に適当な製品を見かけたので買って、開封もせずクルマにほりこんでおきました。
まあ、パイプとゴム袋です。女性用は少し高いそうです。使わないと思いますが・・

>同じ使用感でないと具合が悪い---。

ということは水流、水圧のことでしょうか?。水圧は自由に変えられるし、洗浄水流の使用感が同じでないと具合が悪いとは、Sakanoue 氏は余程敏感な神経を、肛門付近にお持ちのことと推察いたします。

ちなみに噴射水流については大別すると
1:直線状
2:螺旋状
3:マサージ効果(?)がある、強弱を伴うもの

の三種類ですが、我が家のものは「2」ですが、子供の家の「1」と比べて、その違いはお尻では識別できませんでした。

なおドライブ時の「小」には、子供に Air sickness bag (吐袋)を使用したことがありました。

えー、TOTOのサービスマンはお湯のタンク容量と噴射するお湯の量が違うような説明していましたね。GXというタイプが一番水量が多いらしいです。
じつは「日本人で色気と○の気のない人はいない」とか言われる、その○なんですよ。ここ1-2年は流血の惨事こそなくなりましたが・・
一カ所極度に敏感なスポットを、永年の間にお尻が自然に覚えて、そこに噴射が直接当たらないように意識しなくても、うまくその周囲を洗浄できるのです。
そのためお湯の量が多いほうが良いようです。
お尻が微妙に動く件は、あの橋下弁護士も、ムーブ式に換えたが、お尻が勝手に動く癖があるのでムーブ式の意味が無いと言っていましたね。同じ意味だと思います。
だから、スパイラルや間欠はダメなでしょうね。INAX製は噴射角度が違うようです、しっくりしないのです。
あ、10年くらい前に短期入院した病院に、まだ洗浄式がなかったのでポータブルも持っていますが、これはいまいちです。

大の洗浄トイレ愛好家?ヤンキースの松井選手は家主の設置許可が最近出るまで、その都度シャワーをしていたそうですが、アメリカ人などはやはり食生活が違うためか○ン○の特性も違い、案外無頓着みたいですね、彼らのソレはヤギ・ウサギと言わないまでも犬・猫みたいなもんでしょうか。

Sakanoue さんが「地主(?)」だったとは存じませんでした。

家に売り込みに来た セールスマンの話では、最近は省エネ対策から瞬間湯沸かし式の製品ができて、洗浄の際には電熱コイルの間を水が流れる際に、加熱されるのだそうです。

我が家の製品の貯湯容量は五百 C C だったと思いましたが、瞬間湯沸かし式となると、貯湯タンクの残量を気にする必要がなくなります。

このごろは、物忘れというのか、思い出せないことが多いのですが。
以前から、TOTOとINAXは兄弟企業------
反対に書くと OTOTO X ANI(弟X兄)というのは有名ですが、本当でしたかね。

明治時代から陶器の製造、輸出を手掛けた森村組(後のグループ)に大倉和親がいましたが、彼が東洋陶器(現、TOTO)の会社を作り、伊奈製陶(現、INAX)に資金援助してグループの傘下にしました。

兄弟企業という表現が正しいかどうか分かりませんが、関連企業であることは間違いありません。

二つの企業で衛生陶器の国内シェアーの九割を占めていますが、陶器に閉める割合では TOTO が優勢であり、INAX はタイルの分野では群を抜いています。

ところで INAX については、それまでの I n a に未知数を示す X をつけたものといわれていて、お説の解釈が正しいかどうか分かりません。

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