嫌な乗客、パート4
金野氏から聞いた話によれば、以前こういうことがありました。ホンコンで他社の飛行機から縄文航空の成田行きに乗り継いだ外国人が、成田に到着後に パスポートを所持していないというのです。そんなバカなことがあるはずがないと思われますが、実際にあったのです。
パスポートが無いので成田で入国ができずに、縄文航空の責任と費用負担で再びホンコンまで送り返すことになりました。あとで聞いた話によればホンコンでも、もちろん入国できずに、出発地であるマレーシアの首都 クアラ・ルンプールまで マレーシア航空で送り返されました。しかしそこでも入国できずに、結局 クアラ と成田の間を十日間近くも ピンポン 球のように往復し続けたのだそうです。
つまりどういう意図か分かりませんが国籍を証明する パスポートを初め、書類を全て機内かあるいは空港の便所やゴミ箱に棄ててしまい、無国籍者を装ったのでした。その男はいつまで経っても、どこの国にも入国できなかった為に、最後はやむなく自分が マレーシア国籍を持つていることを自供したために、マレーシア政府が引き取ったのだそうです。写真はクリックで拡大。
ところで古い航空関係者であれば モスクワの シェレメチェボ 空港で起きた鶴丸航空の DCー8 型機による墜落事故をご存知と思いますが、非番の副操縦士をしていた大学の二年後輩の男も、その時に死亡しました。「デス」と職場結婚をして子供が二人いましたが、気の毒なことでした。
この事故は昭和 47 年(1972年 )に起きましたが、離陸直後に副操縦士が車輪を上げるつもりで、着陸時に翼の上に立てる スポイラー( Spoiler、抵抗板)を誤って操作したために失速したといわれていて、六十二名が死亡しました。
操縦室の事故当時の録音によれば
離陸の操縦桿を引きながら、機長の声「やっこらさ」、「ギアー(車輪)アップ」、「おい、それはなんだ」
当番の副操縦士の声、「済みません」
写真は着陸の際に接地直後に翼の揚力を急激に失わせ、車輪のブレーキの効きを良くするための、グラウンド・スポイラーが立った状態ですが、その後の飛行機では手動ではなく自動で立ちます。
その シェレメチェボ 空港からある時、偽造パスポートを使い日本に出国しようとした男がいました。航空会社のカウンターでのパスポート、ビザの確認には O Kだったものの、出国時の パスポート・コントロールで偽造が発覚して逮捕された事件がありました。写真はその空港。
縄文航空のカウンターで働く アエロフロート・ロシア航空( 旧ソ連航空 )からの出向社員が、旅客の男の態度から怪しいと判断して、預けた バゲッジに目印の赤い布を付けておいたので、その男の荷物を機体後部にある バラ積みの貨物室から、簡単に取り下ろすことができたのだそうです。さすがは元 K G B ( 秘密警察組織 )の国であると金野氏も感心したそうですが、もしかしたらその係員も、元 K G B の職員だったのかも知れません。
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