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2007年2月15日 (木)

保持船、避航船

Takachiho3 宮崎県日向市漁協所属の漁船「幸吉丸」が沈没し乗組員ら三人が救助された事故で、衝突したとみられるマルエー・フェリー(鹿児島県奄美市)所有の貨物船「フェリー・たかちほ」(3,891トン)が今日(15日)昼、東京港に入港しました。今朝のワイド・ショウを見ていると、「フェリー・たかちほ」は以前にも見張り不十分で衝突事故を起こしていた。見張りの怠慢はけしからん。当て逃げではなか?。などと「フェリー」側が一方的に悪いように、コメンテーターが述べていました。写真はクリックで拡大。

以前の事故や、当て逃げかどうかの件はさて置いて、漁船には過失が無かったのでしょうか?。

ワイド・ショウで示した衝突直前の両船の位置関係を、船舶の運航関係者がひと目見れば、悪いのは漁船の側に決まっていると言うはずです。私は海事関係の学校で海事法規を学びましたが、陸上に道路交通法がある如く、海には 海上衝突予防法 があり、そこには下記の条文がありますが、後で参考にしてください。

Takachiho ややこしい条文の要点を簡単に説明しますと、相手を右側(右舷)に見る船は相手を避ける義務があり(避航船)、 相手を左側(左舷)に見る船はそのままの針路、速力を維持しなければならない(保持船)、という ルールです。写真はクリックで拡大。

Takachihocol これをワイド・ショウで示した、「フェリー・たかちほ」と漁船の位置関係に適用しますと、漁船は相手を右側(右舷)に見るので、「フェリー・たかちほ」を避けなければならない「避航船」であり、「フェリー・たかちほ」は相手を左側(左舷)に見るので、その針路、速力を維持しなければならない「保持船」ということになります。つまり衝突回避の責任は、
一義的には漁船側にあるということです

夜間には船の船橋附近や飛行機の翼(昼間も)には航海灯を点灯させますが、左側は赤灯で、右側は緑灯です。つまり相手の赤灯を見る船は、危険なので相手を避ける義務があることを示し、相手の緑灯を見る船は相手が避けるために安全とみなし、針路、速力を保持します。

あくまでも現時点での事故情報と、ワイド・ショウの位置関係が正しいと仮定した場合の話であって、前提条件が変われば、責任の所在がひっくり返る場合もあります。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

海上衝突予防法

(横切り船)
第十五条  二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない。この場合において、他の動力船の進路を避けなければならない動力船は、やむを得ない場合を除き、当該他の動力船の船首方向を横切つてはならない。
2  前条第一項ただし書の規定は、前項に規定する二隻の動力船が互いに進路を横切る場合について準用する。

(避航船)
第十六条  この法律の規定により他の船舶の進路を避けなければならない船舶(次条において「避航船」という。)は、当該他の船舶から十分に遠ざかるため、できる限り早期に、かつ、大幅に動作をとらなければならない。

(保持船)
第十七条  この法律の規定により二隻の船舶のうち一隻の船舶が他の船舶の進路を避けなければならない場合は、当該他の船舶は、その針路及び速力を保たなければならない。
2  前項の規定により針路及び速力を保たなければならない船舶(以下この条において「保持船」という。)は、避航船がこの法律の規定に基づく適切な動作をとつていないことが明らかになつた場合は、同項の規定にかかわらず、直ちに避航船との衝突を避けるための動作をとることができる。この場合において、これらの船舶について第十五条第一項の規定の適用があるときは、保持船は、やむを得ない場合を除き、針路を左に転じてはならない。
3  保持船は、避航船と間近に接近したため、当該避航船の動作のみでは避航船との衝突を避けることができないと認める場合は、第一項の規定にかかわらず、衝突を避けるための最善の協力動作をとらなければならない。

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コメント

これは、小型船舶の免許を取るときに真っ先に習いました。左舷赤灯は・・お酒・・左党・・ポートワイン・・ポートは赤・・と習いました。
講義は能美島の宿泊施設で、実習は江田島の海自幹部候補生学校の係留護衛艦相手に接岸訓練などもしました。
このときに。校内や史料館を見学しました。
宇品港や宮島へテストを兼ねて航行しましたが、島が多くて見通しが利かず、帰路はちょっと困ったことを覚えています。


小型船舶操縦士のライセンスをお持ちでしたか?。私は四年の夏休みに友人達と三枚帆のピンネース( Pinnace )で、瀬戸内海を一週間巡航したことがありましたが、瀬戸内の伊予灘で周囲の島影が見えなくなると、心細くなったものでした。

六分儀を積んでいましたが、ボートからでは眼高が低いため、水平線からの正確な天体高度が測れずに使いませんでした。

ところで去年呉に行った時の話では、能美島の簡保の宿「安芸、能美」は閉鎖されたと聞きました。

当時寿屋(ことぶきや)と称していたサントリーが、赤玉ポートワイン を出していましたが、お説のようにポート(左舷)の航海灯は赤色と、私も関連付けて覚えました。

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