記念撮影
新聞報道によれば日本航空の機長(45)が去年12月、ロンドン関西空港間のフライトで、スチュワー「デス」 (28)を機長席に座らせて記念撮影をした問題で、国土交通省は22日にこの機長を航空業務停止 20日とする行政処分を行いました。写真はクリックで拡大。
日航によると、機長はこの問題が発覚した後から乗務を外れており、先月24日付けで停職 45日の社内処分を受け、副操縦士(35)も機長の行為を結果的に黙認したとして、同省から文書による警告を受けているそうです。
以下は金野氏から聞いた話です。「デス」 に記念撮影をさせたことの是非はさておき、正義の味方のような顔をして裁く 国交省 ( 旧運輸省もその一つ) の航空局の役人達が、これまでどれほど カネ に汚い行為をして来たかを、金野氏は嫌になるほど見てきた のだそうです。
航空局の役人が海外出張を命じられると、航空会社に 五割引きの航空券を要求してきました。国家公務員旅費規程に従い、公務員の下っ端でも ビジネス・クラス が利用できるので、五割引の航空券を航空会社からせしめることにより、例えば東京から ニューヨク や ワシントン DC まで、往復運賃 60万円の半額の 30万円を、自分の懐に入れることができたのです。写真は国内線用の、五割引きの株主優待券。
それで済むのであれば まだ可愛い のですが、厚かましい 奴になると、ファーストクラスへの 「 アップグレード (上のクラスへの座席変更) 」 を要求しました。つまり半額の料金で ビジネスクラスに搭乗し、カネ 稼ぎをするだけでなく、ファーストクラスへ乗せろと要求したのです。もし断れば霞ヶ関界隈の評価では政策官庁ではなく、許認可が仕事の三流官庁といわれた旧運輸省が持つ、俗に 三万とも 四万件とも言われた許認可権限に基づく、事務手続き( たとえば当時は毎月の、時刻表さえも認可の対象 ) の意図的な遅延などの嫌がらせや、航空行政上の不利な取り扱いが待っていたのです。
「江戸の仇を長崎で討つ」 のを 得意技とする連中 なので、無理難題に応じざるを得ませんでした。
兵庫県にある宝塚市の中心を流れる武庫川のほとりに宝塚温泉 「 ホテル若水 」 がありますが、阪神大震災で被害を受ける以前は、芸者が出入りした大きな日本旅館でした。 ここはその昔、航空局の試験官の定宿でしたが、ズル賢い彼等は宿泊、遊興費代の一部として僅か 二千円を支払って領収書を貰い支払実績とし、残りの飲み代、芸者の泊まり代 はすべて航空会社へ ツケ を回してきました.。
昔から役人の接待とは、(酒を)飲ませる、(女性を)抱かせる、(カネを)握らせると世間では言いましたが、金野氏によればその多くは、腐敗堕落した役人の側が要求したから起きたのだそうです。写真は ホテル若水。
その当時、大阪空港の南側に隣接して新明和工業という飛行機整備会社があり、そこで縄文航空が使用していた飛行機である、 F-27 フレンドシップ の オーバーホール整備をしていました。ある時 オーバーホール終了後の機体について、運輸省航空局検査課による 耐空性検査飛行の パイロットを命じられました。
テスト飛行の打ち合わせを検査課の検査官とすると、驚いたことに機体の重さを最大着陸重量にして離陸してもらいますからといわれました。前例の無い異常な要求でしたがやむなく指示に従い、燃料を満タンに積むだけではなく、何トンもの重量物を機内に均等に積み込む作業が必要になりました。その為に出発が一時間近くも遅れ、新明和工業の作業員は汗だくになりました。
テスト飛行終了後に新明和の整備担当者に検査官の理不尽な要求の件を聞くと、昨夜 北の新地( 大阪以外の人に説明しますと、高級なクラブや、バーがひしめき合う場所 )で検査官を接待して何軒も ハシゴ したのだそうです。ところが彼が知っている店に更に行こうと言いましたが、夜12時をかなり過ぎていたので、明日の フライト もある為、 ホテル に帰りましょうといったのが検査官の気に障り、翌日の検査で仕返しをされた とのことでした。
監督官庁の検査官という権力者の立場にある彼の意志に逆らえば、どんな事態になるのかを、民間会社で働く 身分の賤しい者ども に思い知らせたのでした。次回の接待からは彼の知っている店を含めて、検査官が行きたい店には、たとえ夜明けになるまでも行けるようになったはずです。
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» 海外出張に役立つ情報。 [海外出張について]
海外出張に行く前の準備や海外出張に行くときの持ち物など海外出張に役立つ情報を書いていきたいと思います。 [続きを読む]
・・・・つくづく嫌になりますね・・・・
一体、我々民間の人間を如何に考えているのでしょう・・・。
せいぜい、当の本人は「競争社会の勝者」気取りなんでしょうね~。
ま、人間死ねば溶けるだけですから、ここで愚痴を吐いても仕方ありませんが一言だけ言えます。日本人として。
「お天道様は見ていらっしゃる。必ずや良い末期は訪れないであろう」と。
利害関係とは時に恐ろしいもの。こういう官僚体質が払拭されることを切に願います(無理だろうケド)
投稿: seraphco | 2007年5月25日 (金) 01時33分
私共は、関係団体の会合をやります。コンパニオンもいるんですが、着席で実施すると規程で参加できないとおっしゃるので、年寄りにはつらいですが、毎回立食形式で実施しております。
課長さんクラスにお越しいただき(ご来臨の栄とか申します)まして、祝儀は貰いません、参加費も取りません。昨今の状況をちょっとお話いただいて、交通費も払いません。(どうせ電車代ですけれど)
手土産を渡そうとすると、100%拒否されます。廊下を走っていって、エレベータの陰でこそっと渡しても受け取ってもらえません、最近あきらめました、結局自分たちのおやつになってしまう・・・。
最近は、結構締め付けは厳しいのかもしれません。運輸省ではありませんが、現在建設業への許認可を持っている役所の、ちょっと違う部署(ここが大事な点かな?)の課長さんたちのお話です。
部長さんや、局長さんクラスになると、知りませんけれどもね・・・・
投稿: あすか | 2007年5月25日 (金) 15時41分
飲ませる、抱かせる、握らせるについて、芸者の泊まり代はこちらが負担しますなどと、航空会社から言い出すことは恐らくしなかったと思うよ。
やはり 「ただマン」 の好きな役人が要求した、と解釈するのが常識というもの。
投稿: tomihiko | 2007年5月25日 (金) 17時31分
宝塚の旅館と聞いて、思わず記憶をたどりました。
会社時代、学校も先輩ということで親しかった、ある期間、関係会社の社長と部下という関係だった人が宝塚温泉の旅館の息子でした。
本社の平取くらいになれたと思いますが、親が亡くなったか何かでわりと早く退職しました。
「若水」とちがって「今長」でしたかな・・継承して程なく、売却して悠々自適は羨望でしたな。
F27は、新婚旅行に乗りましたが、こんなに小さかったのですね、右側いちばん後ろの窓の席でしたな。
懐かしい。
投稿: Y.S | 2007年5月26日 (土) 23時24分
フレンドシップ の定員は僅か 40名で、客室の窓は 10個しかありませんでした。
ところで ターボ・プロップ機では ジェット・エンジンの高回転を、十分の一以下に減速回転して プロペラに伝えます。その際に出る減速歯車の高周波騒音や プロペラの風切音がうるさいのですが、その点最後部は静かで坂上田村麻呂どのの、新婚旅行に相応しい特等席でした。
投稿: Y.O. | 2007年5月27日 (日) 10時30分