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2007年5月 6日 (日)

銭湯の番台と「デス」管

Bandai1 航空会社の男性社員にとって一度は座ってみたいものは、銭湯の番台と 「デス」管 だそうです。「デス」管については後で述べるとして、子供の頃に育った昭和十年代の東京の豊島区では、家に風呂のある家など私の家の近所には一軒しかなく、誰もが銭湯に行きました。写真は銭湯の番台で、男女脱衣所の仕切り扉が開いている状態、クリックで拡大。

学童集団疎開をした小学校六年当時の クラス会を、現在まで毎年定期的に続けていて四十年になりますが、その中に中学校の校長を勤めて退職した男がいました。

Yokusou1 彼によれば最近の中学生は同性同士でも裸を見られるのを嫌がるので、修学旅行の際には、男子も女子も旅館の男子用、女子用浴場で パンツを履いたままで入浴するのだそうです。その為の使い捨て パンツを宿泊に必要な枚数だけ、事前に学校で購入させるとのことでした。
浴室の脱衣所には ボリ製の ゴミ容器を置き、濡れた パンツをその中に毎回捨てるのだそうですが、各家庭には必ず風呂がある環境で育った世代の人達に、銭湯の番台などといっても意味が通じない人もいるので、敢えて説明します。

Itanoma1 銭湯に行くと入り口が男女別に分かれていますが、入るとすぐに番台と称する一段高い席があり、そこに座っている人に風呂代を支払います。番台に座る人の役目は風呂代の徴収と、昔は板の間稼ぎ の防犯でした。粗末な服を着て銭湯へ行き、早々に入浴を済ませると、帰りには金目になりそうな他人の服を着て、そ知らぬふりで出て行ったり、あるいは財布などの金品を盗む者がいました。一番上の写真で見る通り脱衣所の床は板の間なので、これを「板の間稼ぎ」と言いましたが、今では死語になりました。

Mirov 男性の脱衣所だけでなく壁で半分に仕切られた女性の脱衣所も見張る為に、ビーナスの女神像が見られるので、航空会社の男性社員ならずとも男性にとって、一生に一度は番台に座りたいものだとひそかに願っていました。写真は ミロ の ビーナス。

ところで スチュワー「デス」の客室乗務員管理課( デス管 )には デイリー・カウンター( Daily schedule counter )がありますが、「デス」の乗務 スケジュールの連絡、変更などの当直業務をしています。乗務のため出社してきた「デス」達が当直に「おはようございます」と挨拶して、出勤したことを示す印を当日の乗務編成表の名前に付けましたが、今では パソコンで入力します。

「デス管」とは脂粉の香り漂う何百人もの、容姿端麗(?)な「デス」から挨拶される仕事場で、独身男性にとっては嫁選びの候補者が山ほどいて選択に迷うほどだそうです。天候が悪化し フライト・スケジュールに遅れなどの混乱が生じた場合には、将棋の駒でも動かすように思いのままに「デス」の乗務割を変更し、「デス」が彼氏と デートの約束があろうが無かろうが、たとえ「デス」のお見合いの予定日が翌日であっても、私情を交えずに運航宿泊便への乗務を指名する喜び(?)を味わうことができます。

ウワサによれば 「むくつけき」 男も客室乗務管理課に配属になると、室内に充満する女性 ホルモン( フェロモン )の吸収過多のせいで、半年ほどで 「なよなよ」 としてしまい中性化するともいわれています。

ちなみに縄文航空所属の「デス」の数は、ロンドン、上海 などの海外基地の「外人デス」(イギリスだけでなく、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、中国などの多国籍集団)を含めて、約四千五百人(短期契約社員を含む)いるそうです。

外人「デス」は新人から訓練してようやく一人前に使えるようになると、その経歴を利用して 一ドルでも給料が高い航空会社があれば、すぐに ジョブ・ホッピング(転職)するのが普通です。日本で日本人「デス」を求人する外国航空会社でも、新人よりも即戦力になる「デス」の経験者を優先して雇うといわれています。

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