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2007年7月11日 (水)

パイロットの英語

北京発 6月19日付けの ロイター電によれば、 

Airchina_1 中国民用航空総局は19日、航空英語能力が国際基準に達している同国の パイロットは全体の10%未満であることを明らかにした。当局は パイロットに英語力改善の努力を奨励しているものの、一部の パイロットは積極的な姿勢を見せていないという。

これに対し、航空当局の高官は同局のウェブサイトで、「 パイロットの英語力向上の要請は、国際民間航空機関 ( ICAO ) が正式に決定したもの 」 と指摘。さらに「 間違った考えを持っているパイロットは幻想を捨てるよう望む。先延ばしにしたり他人に頼ることなく、英語を学ぶ現在の好環境を生かし、職責を果たして欲しい 」と述べた。

同局によると、英語試験をパスした パイロットの数は 651人 ( 8.1パーセント ) にとどまり、約8000人が不合格だった。

とありました。
国際線を飛ぶ パイロットの間では良く知られていることですが、中国国際航空の飛行機には、パイロットの他に通信士も乗務しています。機内で何を仕事にするのかといえば、国際線を飛ぶ場合に管制塔からの英語による管制指示を、 パイロットに通訳するのが役目だそうです。

中国では中国機に対する管制指示は全て中国語を使用し、外国機に対してのみ英語で指示を出します。つまり中国国内を飛ぶ限り中国人 パイロットは英語を使う必要がまったくないので、国内線を飛んで飛行経験を積んだ パイロットが国際線を飛ぶことになると、英語で苦労することになります。

Airf では フランス語の普及、拡大に日頃から異常な熱意を示す、 フランスではどうでしょうか?。かつて エアーフランスが所属の パイロットに対して、もはや英語は航空業界の共通技術言語であるとして、フランス国内における管制塔との交信に 『 英語だけの使用 』を求めたことがありました。しかし パイロット組合も、航空管制官の組合も  航空界からの フランス語追放   にこぞって反対したために、会社は二週間後に主張を取り下げました。

Dogoru パリの シャルル・ドゴール空港などでは、管制塔とフランスの航空会社の パイロットとの交信には、約半分近くが英語を使用していますが、国際民間航空条約機構 (ICAO、International Civil Aviation Organization )の規則では、 管制用語は英語又は母国語とする と決められています。写真の青い尾翼は、シャルル・ドゴール空港に駐機中の全日空機。

日本では航空会社の パイロットは英語を使い、セスナの宣伝飛行などの使用事業の パイロットや、陸上自衛隊の パイロットは日本語を使用する場合が多いようです。

ところで 金野内蔵氏から聞いた話によれば、昭和40年代の初め、縄文航空にも英語のできない戦前からの ベテラン と称された パイロットがいて、その人たちと一緒に飛ぶと管制塔からの指示を,いちいち通訳する必要があったそうな。ある時英語がうまくない爺さん パイロット同士で ホンコンに飛んだ時のこと、管制塔の指示が聞き取れずに、 セイ アゲイン( Say again 、もう一度言ってくれ ) を連発しために、ホンコンの航空局から名前を挙げて、「この パイロットは英語力に問題があるので、 ホンコンに来てくれるな 」 と言われたとかいう  ウワサがあったらしい。

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コメント

国際線を飛ぶパイロットの間で、中国の飛行機に通信士が乗ることが、なぜ知られているのでしょうか?。

混雑する空港で アプローチ・コントロール ( 進入管制所 ) との交信をやりとりする際に、通訳が入るため、 ワンテンポ遅れて管制指示を リード・バック ( 復唱 ) するからです。

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