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2007年10月 9日 (火)

金野氏の場合

大阪空港で十月五日に松山発大阪行き全日空 448便 ( A 320型、乗客・乗員 165人 )が、B滑走路 ( 3,000メートル )に着陸する指示が飛行場管制から出たにもかかわらず、並行するA滑走路 ( 1,828メートル ) に着陸する ミスがありました。国土交通省によると、操縦士が指示を誤認したうえ、管制官も操縦士から復唱された誤った内容の応答を聞き逃したという。

九月にも、日本航空機が管制官の許可を受けずに滑走路を横断する ミスがありました。一カ月の間に起きた二つの事例では、いずれも操縦士側が管制の指示を聞き違え、管制官も操縦士側の応答をきちんと確認していなかったことが原因でした。このため国交省は、管制の指示に、運用上の落ち度や構造的な問題がないか調査するとのことでした。

Matsuyama 三十年以上昔、金野内蔵氏が松山から羽田に向かう便でのこと、出発前の管制塔との交信では、高度二万七千 フィートの管制承認 ( ATC Clearance ) を貰いました。写真は松山空港。

727cockpit 離陸後に松山空港の出発と進入管制を受け持つ、米軍岩国基地の 岩国 アプローチ ( Approach、進入管制所 ) と無線交信し、二万七千 フィートに上昇する旨連絡すると、お前の指定された高度は二万七千 フィート ( 8,200 メートル ) ではなく、二万五千フィート ( 7,600 メートル ) であるといわれました。

Dodcontrol 松山管制塔からは二万七千 フィートの管制承認を貰い、その通りに復唱し、管制塔も了解したので間違えたはずがありません。そこで米軍の管制官に、指定された高度を航空交通管制センターに ベリファイ ( Verify、確認 )するように求めました。その結果は松山の管制官が、高度を誤って金野氏の飛行機に伝えていたことが判明しました。写真は米軍の航空管制用 レーダー装置。

その当時金野内蔵氏は大阪空港の管制官と民間航空側からなる 「 大阪空港管制懇談会 」 のメンバーでしたが、そこで顔見知りの某管制官から、 直後に 「 なるべく穏便にお願いします 」 との 「 泣きの電話 」 が入りました。

管制官が管制承認の高度を間違えて飛行機に伝達することは、重大な ミスであり、 あってはならないことですが、岩国 アプローチ ( 進入管制所 ) の米軍管制官により高度の伝達 ミスが発見されたために、飛行機が危険な目に遭わずに済みました。

そこで金野内蔵氏は松山空港の当該管制官が、二度とこの種の ミスを犯さないように上司が指導することを条件に、旧運輸省航空局がおこなう 安全性検確認査時に検査の対象となる、 「 機長報告書 」 を出さないことに決めました。 この判断が良かったのか悪かった、分かりません。

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