突発性難聴のこと
我が家の 「 山のいも 」 女房は 朝、昼の テレビの ワイドショウはもちろんのこと、歌謡番組もよく見るので、芸能界の情報は実によく知っています。
彼女によれば 最近 「 浜崎 なにがし 」 とかいう女性歌手が、突発性難聴になって片方の聴力を失ったとのことでしたが、金野内蔵氏の家の近くに住む 六十才代の女性二人も最近 突発性難聴になり、一人は片側の聴力を完全に失い、もう一人の人は全快しました。
金野氏によれば、彼自身も 二十年近く前に、突発性難聴に罹ったのだそうですが、彼の場合は以下の状況でした。
大晦日に 二泊三日の フライトから帰宅すると、 女房に荷物持ちを命じられて車で スパーへ買い物に行きました。めぼしい荷物を車に運び彼女が更に買い物をする間は、車の中で ラジオを聞いて待っていました。
女房が買い物を終えて車に戻ると、ラジオの音が大きいと言いながら音量を絞りました。夜になって居間の コタツ で テレビを見ていると、彼女から再度 テレビ の音が大きいと注意されました。金野家の テレビでは通常は画面に出る音量の目盛りを 「 17 」 にしていましたが、注意された時には目盛りが 「 22 」 になっていたそうです。
飛行機が高空に上昇するにつれて客室の気圧が低くなるので、鼓膜が一時的に外側に膨らむような感じがしますが、左の鼓膜がそれと同じような感じが常時したそうです。
女房は NHK の紅白歌合戦が大好きなので、紅白が嫌いな金野氏は居間の指定席を明け渡し、自分の書斎に場所を変えました。静かな場所で何の気なしに、腕時計の秒針の動く音を左耳で聞こうとしましたが、音が全く聞こえませんでした。慌てて右耳を確かめると、こちらは正常に カチカチの音が聞こえてきました。これはえらいこっちゃ、片耳では パイロットを失業だぁ。
そこで大晦日の夜に耳鼻科の外来診療をしてくれる病院を電話で探すと、兵庫県尼崎市の医療 センターには休日診療所があり、年末年始も毎日九時から翌朝六時まで、休日診療していることを教えてくれました。
午後九過ぎに車の通行も極端に少なくなった国道を、尼崎市 水堂町三丁目へと車を走らせましたが、休日診療所は大晦日だというのに、赤ん坊や小さい子供の外来患者で一杯でした。
待たされてから検査室で聴力検査を受けた結果は、左耳はほとんど聞こえないが、右耳は正常でした。耳鼻科の医師から告げられた病名は突発性難聴 [ Sudden Deafness 、突然の聾 ( ろう )] であり、厚生省 ( 当時 ) 指定の難病で原因は不明、従って治療法も手探りとのことでした。写真は検査 ブース ( Booth ) ですが、この防音箱 ( ? ) の中で、低音は125 ヘルツ ( HZ ) から高音の 8000 ヘルツ ( HZ ) までの範囲で、各周波数段階での聴力の検査を受けました。
内耳器官の炎症治療に有効とされる ステロイド剤の点滴を受け、飲み薬をもらいましたが、明日 ( 元日 ) の朝 九時に兵庫県西宮市 武庫川町にある、兵庫医大病院の耳鼻科で受診できるように手配してもらい家に帰りました。その途中で車の ラジオから除夜の鐘の音が、「 片方の耳 」 だけに聞こえてきました。
会社を休んで 七日間病院に通い点滴と飲み薬をもらいましたが、治療の開始が早かったことで聴力の回復も早く、耳鳴りなどの後遺症もなく幸運にも聴力は正常に戻りました。機長に対して半年ごとに行われる厳重な航空身体検査にも合格し、定年まで飛行機を飛ぶことができました。
最初に述べた片側の聴力を完全に失った女性の場合は、耳がおかしいのを 一週間以上放置していたとのことで、聞こえなくなってから 三週間入院しましたが、手遅れで聴力は元には戻りませんでした。突発性難聴は 「 聴覚の神経を冒す病気 」 なので、聴力に異常を感じたら、金野氏の場合のように一刻を争って耳鼻科の医師の所へ行くことです。
「 浜崎なにがし 」 の件も、本人や周囲の人の 健康管理についての怠慢から、歌手の生命である大事な聴力を半分失いましたが、この事態は貴方にとっても他人事ではなく、 原因不明の病気なので 「 明日は我が身 ? 」 かも知れませんよ。
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コメント
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[耳から煙]
子供がまだ幼い頃、耳そうじをしているところへ突然飛びついてきて私の鼓膜が破れたことがありました。
痛みはあまりなかったのですが、鼻をつまんで試してみると、どうも耳から息がもれているようでした。
まだ、喫煙していたので、女房に見てもらってタバコの煙で確かめると、耳から煙が出てきました。
慌てて耳鼻科へ行きましたが、タバコの件を告げると、最もやってはいけないこととひどく叱られました。
たいした治療もしなかったと思いますが比較的短期間で完治しました。
投稿: Y.S | 2008年1月21日 (月) 23時01分
耳と鼻がつながっていることは存じておりましたが、 「 耳から煙りが出た 」 とは珍しいことですね。
私にも事故で鼓膜が破れた友人がいましたが、自然にふさがったことを聞いていました。
投稿: Y.O. | 2008年1月22日 (火) 12時08分