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2008年2月 9日 (土)

デスの職業病

[ 腰痛 ]

Bijina 金野内蔵氏から聞いたところによれば、スチュワー「 デス 」 の職業病といわれているのが腰痛だそうです。

今では死語になりましたが昔は女性を形容する言葉に、 「 髪は カラスの濡れ羽 ( ば )色、腰は柳腰 ( やなぎごし ) 」 というのがあり、美人画に描かれた女性は細い腰と決まっていました。

辞典の大辞林によれば、 「 カラスの濡れ羽色 」 とは 真っ黒で青みのある、つややかな髪のことであり、 「 柳腰 」 とは細くて、しなやかな腰で、多くは美人のたとえ とありました。

腰痛が 「 デス 」 の職業病になるに伴い、鶴丸航空では 「 デス 」 の採用試験に一時期 運動能力 テストを実施しましたが、これにより腰痛患者の予備軍と目される 「 やなぎ腰 」 の応募者を排除し、石臼 ( いしうす ) 型や ビヤ樽型の体形所有者を、優先採用したのかどうかは不明です。

Cart 機内 サービスの際には食事の トレー ( Tray 、お盆 ) を満載した、 三十 キロの重量にもなる ミール ・ カート ( Meal cart  ) や、飲み物、 アルコール類を乗せた リカー ・ カート( Liquor cart ) を客席の狭い通路を押して移動したり、中腰になって ミール ・ カートから食事の トレイ を何十回も取り出し、また収納する作業が腰痛の原因になるといわれています。

通路に敷いた絨毯 ( じゅうたん ) の上で、 カートを移動させるのは体力が要る仕事だそうですが、さらに上空では機体が水平ではなく、通路に傾斜があり機首の方が高くなっているからです。上層風の影響を考えない場合には、ジェット機の特性として飛行高度が高くなればなるほど、空気密度が小さくなり、従って空気抵抗も少ないので、燃料消費が少なくて済みます。

そのために長距離を飛行する場合には、現在の機体重量で上昇可能な、なるべく高い高度を飛ぶために、 飛行中に燃料を消費し機体が軽くなるにつれて、パイロットは段階的に、より高い高度へと ステップ・アップします。そのような高度では飛行機が水平飛行をしていても、機体は水平ではなく、やや機首上げ姿勢になっていて、その量は飛行機の性能、機体重量、飛行高度などにより異なりますが、おおまかにいえば、一度~三度程度になります。

777300 以前縄文航空では トライスターという 三発機を使用していましたが、この機体は空力特性から他機に比べて巡航中の 機首上げの量が多く、 「 デス 」 の間で 「 エル ・ テン (  ロッキード 1011 型機 ) に乗ると疲れるのよねー 」 という評判の飛行機でした。写真はボーイング 777-300 型機、乗客定員 248 ~ 524 名。

ピッチ・アップの量が、二~三度の傾斜などたいした角度ではない、とお考えの方に質問しますが、飛行機が進入着陸する際の降下角度 ( 軌跡 ) は、地面に対して何度だと思いますか?。正解は次項の膀胱炎の中にあります。

[ 膀胱炎 ]

膀胱は当然男性にも女性にもありますが、膀胱炎にかかるのは圧倒的に女性が多いといわれています。その理由は構造的に女性の尿道が 約四 センチと短いために、細菌が膀胱に侵入し易いからだそうです。

[ ところで進入着陸する場合に、飛行機の地面に対する降下角度は、飛行機のタイプ、大きさ、計器進入着陸、目視進入に関係なく、二度半~三度が標準です。]

Lav1 その昔、鶴丸航空のある 「 デス 」 が膀胱炎になりましたが、彼女によれば、飛行中にトイレに行きたくなっても トイレが乗客で混雑するために、我慢せざるを得ない状態だったので、それが原因だとするものでした。会社に膀胱炎を公務傷病と認定するように要求しましたが、会社が認めないので民事裁判を起こしました。

この裁判の結果がどうなったのか知りませんが、乗務中の尿意の我慢が原因で、膀胱炎になるとは聞いたことがありませんでした。ちなみに医学書によれば膀胱炎の原因の大部分は、大腸菌などの細菌の侵入によるとあったので、毎日の セレモニー ( Ceremony、行事 ) 終了後における、後始末の方法に問題があったようです。

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コメント

飼っているワンコ(メス)もよく膀胱炎になります。
獣医さんによると人間と同じ理由で、膀胱内に雑菌が入り込むそうですが、”行為”でなるのではなく、他の犬に臭いを嗅がれるとき、口から雑菌が入り込むことがあるそうです。
それ以降、散歩時には別の犬に臭いを嗅がれないように気をつけています。それ以降、膀胱炎になっていません。
人間も臭いを嗅がれないようにしたら、膀胱炎が減るかもしれませんね。

プロフィールを拝見させて頂きました、凄い経歴の持ち主なんですね~
私は人間観察が好きで他の人はどんな人間観察をしているんだろう~と思って調べてたらたまたまここに行き着きました。
私は20代前半なのですが、周りの友人には「結構あんたの目はするどい!」なんて言われるんですが、・・・・・・恥ずかしくなっちゃうくらいなレベルでしたよ・・・・。
これからも拝見させていただくので更新頑張ってくださいね~

トライスターはむかし出張で福岡まで搭乗したことがありますが、すでに多数就航していたジャンボと比べると、ボデイの細いのは当然としても少し乗り心地の悪い印象でした。
頭上の荷物入れのドアが勝手に開いたり。なんとなく振動が多いような印象もありました。

ジャンボジェットの初飛行は1962年2月、トライスターのそれは一年九ヶ月遅れでしたが、乗り心地 ( ? ) の違いに関してはよく分かりません。もしあるとすれば民間航空機メーカーと、軍用機メーカーの違いでしょうか!。

技術的にははるかに トライスターの方が斬新な技術を取り入れていて、横風時に オートパイロットを使用して自動着陸する際には 、ジャンボ・ジェットのように、 ディ・クラブ ( De-Crab、 風上側に向いていた機首を滑走路の中心線に合わせる操作 ) が必要ありませんでした。

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