« 乗り物酔い体験記 (1) | トップページ | [ 初飛行で、初酔い ] »

2008年12月20日 (土)

乗り物酔い体験記 (2)

[ 船酔いにかからない方法 ]

船酔いにかからない特別な方法があるのかと聞かれたら、その答えは「 無い 」 が正解です。民間療法では空腹で乗るな、満腹も避けろ、船酔い以前に酒を飲むな から、オヘソに  「 ウメボシ 」 を貼る方法まで数限りなくありますが、はっきり言うといずれも気休めにしか過ぎず、結論からいえば 「 揺れに慣れる 」 以外には、根本的に治す方法がないということです。

荒れた海で船に乗ったことが無い人は、下記の動画を御覧下さい。

 

http://jp.youtube.com/watch?v=h12-msb8LZw

船酔いが原因で、最悪死亡した例もありました。戦時中に陸軍の兵士が輸送船に乗り南方に派遣される途中に、潜水艦の攻撃を避けるために 船団が ジグザグ・コースを航行したために時間が掛かり、二週間の航海中に強度の船酔いによる脱水で、死亡した例が報告されていました。

Enkou

私の母校でもある、海上自衛隊の幹部候補生学校を卒業して初めて船に乗り、遠洋航海に行った実習生 ( 後方に並ぶ連中 ) の中でも、航海中に強度の船酔いで脱水状態になり、ベッドに寝たまま点滴で水分と栄養補給を受けて航海を続け、ハワイの ホノルル港で下船して、飛行機で日本に帰国した例がありました。

平成 11年 ( 1999年 ) には兵庫県立香住 ( かすみ )高校、海洋科学科の漁業実習中に、船酔いが原因で実習生が死亡したケースがありましたが、近くの港に緊急入港もせずに、そこまで脱水状態の実習生を放置した ケース は極めて稀で、監督者の責任が問われるべきでした。

前回述べた三半規管の感度が生まれつき非常に敏感で、大人になっても バス や電車に酔う人は 500 人 ~ 1,000 人に 1 人 はいるそうですが、そういう人が船に長期間乗るのは危険です。乗り物酔いは病気ではないといわれますが、精神主義で克服できる程度と、できないものがあることを知らなければなりません。

「 体が揺れに慣れるまで耐える 」 余裕がない乗客は、乗り物酔いの薬に頼ることになりますが、 乗り物酔いにかかると脳から放出される ヒスタミン という刺激物質が、脳の嘔吐中枢を刺激するために、嘔吐が起きます。

そのため、脳内で ヒスタミンが生成されて放出されるのを抑え、嘔吐回路を ブロック( 遮断 )する効果がある 「 抗 ヒスタミン剤 」 を、早めに使用することが必要です。気持ちが悪くなってから慌てて飲んだのでは、嘔吐物の中に溶けかかった錠剤の塊を発見し、天を仰いで落胆することになります。

しかし最近では乗り物酔いにかかってからでも効く薬が売られていますし、外国には飲み薬以外に、乗り物酔いに効く パッチ ( Patch 、貼り薬 ) があります。

Patchwoman

耳の後の皮膚に貼るだけで スコポラミン( Scopolamine 、副交感神経遮断剤 ) が皮膚から徐々に吸収され、神経中枢の特定の部分に効果を及ぼし、 72 時間も効き、しかも 83 パーセントの人は他の酔い止め薬にありがちな眠気、倦怠感を感じないという優れものです。

しかし 副作用としてはやや口が渇くのと瞳孔の拡大があり、一時的に記憶に支障が起きる可能性(?)があることから、18才未満の人には使用禁止となっていますが、日本では厚労省から未だ認可されていません。

私は前回述べたように酔い止め薬を飲んだことはありませんが、聞くところによると、乗り物酔いの薬を飲んだ後で、車の運転をするなと注意書きがあるそうです。

Hentai ある時 空酔いする友人が、飛行訓練生の時に薬を飲んで練習機を操縦したところ、飛行機が フラフラ して不安定になり、操縦に支障があったとのことでしたが、車の運転と飛行機の操縦は、共通する部分があったからでした。

« 乗り物酔い体験記 (1) | トップページ | [ 初飛行で、初酔い ] »

コメント

こんにちは、二度目の投稿をさせていただきます。
いつも楽しみにブログを拝見させて頂いています。
こちらへおじゃまさせて頂いたのは、疎開についての記事がきっかけでした。

私は祖父が士官学校を出た後、陸軍で大佐までいきました。
もう存命ではありませんが、幼少の頃はよく戦時中の話を聞いたものでした。
ブログ主さまの考えや内容はおそらく祖父と共通することが多いだろうなあと思いつつ、
祖父とは20は離れてらっしゃるので、失礼かもしれませんが、存命のころの祖父をつい、重ねてしまいます。


さて、私は実は大変乗り物酔いがひどく・・・
一時間も乗っていれば、その日一日はまともにすごせません。
お医者さまからは、「乗る前に食べるな」などアドバイスをいただいており、試してはおりますがなかなか効果なく。
今回のブログの内容は大変ためになりました。
ありがとうございました!


それから、お辛いお話かと思いますが、
ぜひ戦時中の話はどんどんして頂きたく思います。先日の産経新聞に最近の若い子は「先の戦争」というと湾岸戦争・ベトナム戦争のイメージになると見ました。
今の平和は祖父たちが護ってくれたからあること、その世代の苦労の礎にあること、未だに「先の戦争」を外交カードに利用されている事を思うと日本が関わった戦争を風化させてはいけないと思います。
これからも折にふれ来訪させて頂きます、長文失礼いたしました。

乗り物酔いされるとは大変ですね。私は船酔い、空酔いに経験豊富でしたので、辛さがよく分かります。

船酔いに経験豊富な友人から最近聞いたところによると、いろいろな酔い止め薬を試した結果、大正製薬の センパア ( Semper 、錠剤、内服液の 二種類あり、1 日 1 錠 ) が、彼にはよく効いたそうです。

ところでこの ブログ は諸般の事情から、今年いっぱい ( ということは、あと 1 回 ) で、終了することに致します。

ホームページ の随筆集の更新は、引き続き毎月 1 回おこなう予定です。

ご丁寧な返信、ありがとうございます!

お身体や色々と都合もありますのに、執筆をせかすような事を書いてしまい、大変申し訳ありません!

薬には抵抗があって手を出してなかったのですが、長期出張などの時は書いてくださった御薬を試してみようと思います、ありがとうございます!

もし更新をお止めになっても、ぜひこの素晴らしいページやブログは残して下さい!

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 乗り物酔い体験記 (2):

« 乗り物酔い体験記 (1) | トップページ | [ 初飛行で、初酔い ] »