毛針 ( けばり )
昨日の鳩山首相の記者会見を テレビで見て、失望しました。毎月 1,500 万円 の 「 子供手当 」 を十数年間母親からもらい続け、政治資金報告書の虚偽記載をおこなった結果、 贈与税の徴収対象となる 7 年前 ( 2002 年 ) までさかのぼると、贈与の額は 12 億 6 千万円になり、 贈与税の脱税額 は 6 億円にもなるというのですから。
しかもそのことを全く知らなかった、というのには呆れ果てました。私などその千分の一の 1 万 5 千円の カネを母親から貰ったら、一生忘れないというのにです。12 億円もの カネをもらったのに、気が付かない人がいるとは到底信じられない話です。
かつて秘書が逮捕された自民党の加藤議員に対して、秘書と政治家は一身同体であり、同罪であるとして辞職を迫りましたが、自分のことになると鳩山首相は 「 知らぬ存ぜぬ 」 を繰り返して、辞職を拒否しました。
彼が説く 「 友愛の精神 」 とは他人に厳しく、自分には優しいことだったのです。
かつて外務大臣や大蔵大臣を務めた渡辺美智雄 ( 通称 ミッチー、1925~1995 年、みんなの党代表、 渡辺 喜美の父親 ) がいましたが、計算された上での 「 問題発言 」 をする人でした。ある時野党の唱える 高福祉、低負担の政策を批判して、
毛針 ( できもしない選挙公約 ) で釣られる魚 ( 選挙民 ) は バカなんだ と発言して有名になりました。
今回民主党の マニフェストの子供手当、月額 2万 6千円の財源 ( 選挙後は半額に変更 ) は、ムダを省けば捻出できるという主張を信じて、民主党に投票した遠くに住む娘に、子や孫に重い 借金を背負わせる 44 兆円を超える赤字国債 の発行をどう思うのか聞いてみたくなりました。
ちなみに毛針とは、 アユ ・ イワナ ・ ヤマメ などを釣る時に使う、虫に似せて作った擬餌針 ( ぎじばり ) のことですが、これ以外にも普天間基地の国外移転など、最初からできもしない選挙目当ての毛針 ( 公約 ) に食い付いた魚 が バカだったのです。
決断力の無い首相に代わり 「 オザワ支配人 」 が参院選挙を にらんで新たな毛針を用意し、5 月に普天間基地の件を決めるそうですが、従来からの辺野古沖の埋め立ての他に、宮古島近くの下地島にある民間 ジェット機訓練飛行場や、沖縄本島近くにある伊江島案だそうですが、「 国外移設、最低でも県外」 としていた普天間基地に関する 毛針の 「選挙公約 」 はどうなるのでしょうか?。