車輪の出し忘れ
報道によれば、8 月 23 日午前 10 時半ごろ、神戸空港の滑走路に 1 人乗りの自家用小型 プロペラ機 ( 6人乗り ) ビーチクラフト社製が胴体着陸しました。そのため、 神戸空港は 3 時間もの間滑走路を閉鎖しました。
53 年前に アメリカ海軍飛行学校で操縦を習った当時、滑走路に進入する側の末端には必ず ホイール ・ ウオッチャー ( Wheel Watcher 、車輪監視員 ) が配置されていました。
訓練生の ソロ ( Solo、単独飛行 ) の飛行機が車輪を出し忘れて着陸しようとする場合には、着陸復行 ( Go around ) を命じて事故を防ぐためでした。
日本の民間空港にはそのような係員はいませんが、場周経路 ( Traffic pattern ) を回って着陸する場合には、第 3 旋回開始時に 「 Turning base, gear down and locked. 」 ( ベース ・ レグに旋回中で、車輪は降ろした状態にあり、ロックされている) と管制塔に報告するのが パイロットの常識です。
しかも着陸前には 「 Before landing check list 」 ( 着陸前の点検 リスト ) に従い、 1 人乗りの場合には自分自身で 点検項目の状態を確認しますが、その中には 「 Landing gear 」 ( 車輪 ) の項目が必ずあります。
今回車輪を出さずに着陸したのはその点検を忘れたのか、または点検項目の確認を完了せずに着陸したことになります。
さらに車輪が出ていないことを警告する警報音が、ピー と鳴っているのに、何の警報か分からずにそのまま着陸操作を継続したとは、当該 パイロットの技量 ・ 知識 レベルの低さには驚くほかありません。
飛行時間 400~500 時間程度の アマチュア ・ パイロットでも、単独飛行をするのは無理、と判断すべき段階です。
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