GPWS にあっぱれ!
26 日に北海道 ・ 旭川空港へ レーダー ・ ベクター ( Radar Vector、レーダー誘導管制 ) 中に起きた管制官による管制 ミスにより、飛行機が山へ激突する大惨事を引き起こすところでしたが、それを防いだのは GPWS の Pull Up ( 急上昇せよ ) という音声警報と警報音でした。 GPWS にあっぱれ !
事故には至らなかったこの 「 重大な インシデント 」 ( Incident 、出来事 ) の原因は、運輸安全委員会の下部組織である航空部会の事故調査官により後日明らかにされますが、これまで報告された 「 重大な インシデント 」 については下記の URL の頁の下部をご覧下さい。右欄の報告書を クリックすれば、その内容が分かります。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/new/air.asp
今回事故を未然に防いだ GPWS とは Ground Proximity Warning System ( 対地接近警報 システム ) のことですが、日本では全ての ジェット旅客機に搭載されています。
この機能の一つは電波高度計と連動していて、 山や地面などに異常に接近すると、最初は テレイン ( Terrain 、地形に注意 ) の音声警報を繰り返しますが、さらに危険になると警報音と プルアップの音声警報 ( Pull Up、急上昇せよの意味 ) を危険状態から脱するまで繰り返します。
20 年前に群馬県の御巣鷹山 ( おすたかやま ) に墜落し、 520 名が死亡した JAL 123 便の CVR ( Cockpit Voice Recorder、操縦室内録音装置 ) にも、墜落するまで プルアップの音声警報と警報音が、繰り返し録音されていました。 殉職した T 機長の顔は知っていました。
18時 56 分
14秒 ( GPWS ) SINK RATE ( 降下率に注意の音声 )
15秒
16秒 (GPWS) WHOOPWHOOP ( ウープ ・ ウープの警報音 )
17秒 (GPWS) PULL UP ( プルアップ、急上昇せよの音声 )
18秒 (GPWS) WHOOPWHOOP
19秒 (GPWS) PULL UP
20秒 (GPWS) WHOOPWHOOP
21秒 (GPWS) PULL UP (CAP) ……
22秒 (GPWS) WHOOPWHOOP
23秒 (GPWS) PULL UP 〔 最初の衝撃音 〕
24秒 (GPWS) WHOOPWHOOP
25秒 (GPWS) PULL UP
26秒 〔 衝撃音 〕
27秒
18時 56 分 28 秒 [ 電源破壊による、録音停止 ]