原発の定期検査を、なぜ遅らせないのか
報道によれば福井県高浜町にある関西電力高浜原発 4 号機は 7 月 21 日の夜、営業運転を停止し定期検査入りをした。翌 22 日夜には福井県の大飯( おおい )町にある大飯原発も定期検査が始まり、 関電の原発 11 基のうち 7 基が停止状態になるそうである。
東日本大震災の結果、夏場の電力需要が逼迫し国民に 15 パーセントの節電を求めるのであれば、政府 ・ 電力会社がやるべき方法があると思うが、それは法律を改正してでも、原発の定期検査の実施をせめて電力需要の厳しい夏の 2~3 ヶ月間、遅らせる ( 延長する ) ことである。
電気事業法第 54 条の規程により、原発は定期検査の実施が義務づけられているが、この定期検査の時期は、蒸気 タービンにあっては 2 年 ± 1 ヶ月、その他の電気工作物 ( 原子炉およびその附属設備 ) については 1 年 ± 1 ヶ月を超えない時期と定められている。
ところで船には船舶安全法という法律があるが、その目的は船舶の堪航性 ( たんこうせい、航海に堪えられる性能 ) を保持し、かつ人命の安全を確保することと記されている。
船舶安全法に基づく検査には定期検査と中間検査があり、船舶は 2 年ごとに検査を受けることになっている。
豪華 クルーズ客船の 「 あすか 」 に例をとれば、世界一周航海の途中で検査の有効期間が満了するような場合には、予め申請により 5 ヶ月以内で 有効期間を延長することができると定められている。
船の大型 ディーゼル エンジンであろうと、原発の蒸気 タービンであろうと、正常運転中の機械が検査の有効期間を過ぎれば、すぐに故障する危険があるなど、あり得ない話であるが、 原発とは数ヶ月の検査期限の延長ができないほど 、 機械的にまた構造上からも、信頼性が無いものなのであろうか ? 。私には納得しがたいことである。