« 船長の最後退船義務は無くなったけれど | トップページ | 自分チョコ »

2012年2月 5日 (日)

ANA 機、しりもちをつく

報道によれば仙台空港で ANA の エアバス 320 型機が着陸の際に、着地点が当初の予想よりも滑走路の奥になりそうだと機長 (46) が判断、着陸をやり直すことにした。

いったん接地した後に再上昇したが、同省によると、この際、機首が上がりすぎて、尾部を滑走路にぶつけたという。 その際に機体後部下面にに長さ 4 メートルの傷ができたとのことである。

Oaklandcalif

上の写真は サンフランシスコの対岸にある オークランド国際空港の滑走路 29 ( 磁方位 290 度 ) であるが、一般に小型  ジェット機の場合の着地点は着陸側の滑走路末端から 1,000 フィート ( 330 メートル )、上の写真で太い 2 本の白い印、俗に下駄 ( げた、 の歯 ) と呼ばれる マーキング ( 標識 ) の位置を着地目標にし、その前後  プラス ・ マイナス 500 フィート ( 150 メートル ) の マーキング範囲内に主車輪を接地させるように決められている。

機内に乗客通路が 2 本ある広胴 ジェット機 ( Wide Body Jet ) の場合は、着陸側の滑走路末端上を高度 50 フィート ( 15 メートル ) で主車輪を通過させる件は同じでも、着地点は小型 ジェット機よりも 500 フィート ( 150 メートル ) 奥に入った所を着地点にする

今回のように着地点がオーバー ( 行き過ぎた ) した場合には、着陸をやり直すのが機長として取るべき正しい方法であるが、その際の離陸姿勢にする機首の上げ方 ( ローテイション、Rotation ) の角速度 ( 度 / 秒 ) 、あるいは ピッチ ・ アップの機首角度 )  が過大になった以外は---。

900ertailskid

上の写真は B-737-900 型機であるが、着陸 ・ 離陸の際に機体後部下面を滑走路に接触させる インシデント ( Incident 、出来事 ) は ままあることで、多くの飛行機、ボーイング B-767-300、B-777-300 、エアバス A-340 などの胴体の長い機体には テイル ・ スキッド ( Tail Skid ) と称する、車の バンパー のような役目をする装置がある。

これは車輪と連動して格納 ・ 突出し、離着陸時に起きる可能性がある滑走路面と、機体尾部下面との接触時の損傷を軽減する役目をしている。

Tailskid767

参考までに 1985 年に起きた  JAL の御巣鷹山事故 ( 死者 520 名 ) の事故機は、その 7 年前に大阪伊丹空港で 着陸の際に しりもちをつく事故を起こしたが、その際の手抜き修理が原因で、機体後部にある客室内部の気圧を保つ 圧力隔壁 ( Pressure Bulkhead ) の構造材に徐々に 亀裂が発生した。

8 月 12 日のお盆の帰省客で満席の羽田発 大阪行きの飛行中に、運悪く それが 一挙に破壊して 全油圧系統を失う大事故の原因となった。

シルバー回顧録へ戻るにはここをクリック

« 船長の最後退船義務は無くなったけれど | トップページ | 自分チョコ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ANA 機、しりもちをつく:

« 船長の最後退船義務は無くなったけれど | トップページ | 自分チョコ »