無知がもたらした死
夜間に 外国の空港の到着 ロビーで見知らぬ外国の男に声を掛けられ、その男と一緒に タクシーに乗り、殺された聖心女子大生がいた。
外務省海外邦人安全課によれば、 8 月 21 日、益野友利香(20)さんが インターンシップ ( 就業体験、ボランテイアの意味 ) で日本語を教えるため、N P O 団体 「 アイセック ・ ジャパン 」 ( 東京都新宿区 ) を通じて 8 月 15 日に ルーマニアの ブカレスト空港から入国したと明らかにした。
益野さんは ブカレストから西に約 200 キロ離れた クラヨーバに 1 人で向かう予定だったが、首都 ブカレスト郊外で遺体となって発見された。
防犯 カメラの映像から逮捕された犯人の男は、婦女暴行の前歴者といわれているが、犯人の家から益野さんの携帯電話が発見された。
外国で近くに人が来たら 「 ドロボー」 と思え、見知らぬ人が話し掛けて来たら 「 犯罪者 」 と思え、とは海外旅行者にとっては 防犯上の常識 。
外国とは比較にならないほど治安が良い日本で生まれ育ち、不慣れな土地 ・ 不慣れな言葉 ・ 不慣れな 「 外国紙幣 」 を持つ日本人旅行者の カモ を、外国の観光 スポット ・ 空港 ・ 駅 ・ バスターミナルなどで待ち受ける犯罪者により、どれほど多くの者が外国で犯罪被害に遭ってきたことか。
それだけでなく レストランや バーでの ボッタクリ、買い物をすれば釣り銭の ゴマカシ、外貨両替所での 換金 レートの ゴマカシ、偽警官、本職警官による 「 ゆすり ・ たかり 」 、ホテルでは従業員と グルになって食べもしない料理、飲みもしない 飲物代の請求。
バイキング レストランで料理を取りに席を外した隙に、 パスポートなどの貴重品を入れた バッグの置き引き、路上での ひったくり、写真を撮ってやるとの口実で カメラの持ち逃げ などなど---。
ちなみに長靴の形をした イタリアでは南に行くほど犯罪が増えるが、イタリア を周遊する ツアーで 犯罪被害に 1 人も遭わない ツアーグループがあったら、運が良かったといわれる。
被害者には気の毒だが ルーマニア人に夏休みの間 日本語を教えるなどという 、よくいえば ボランティア 精神、悪く言えば 無責任な N P O 法人の 「 おだて 」 に乗せられて 、日本人がめったに行かない ルーマニアに着いたばかりで殺された。その原因とは、
日本でも常識のある女性 なら、夜間に 「見知らぬ外国人の男と タクシー に同乗する 」 ことなど決してしないが、 身の危険や 防犯に対する驚くほどの無知 ・ 無防備が原因 であった。 20 才にもなったというのに---。
外国旅行では、人間の性悪説を肝に銘じるべし。