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2014年10月19日 (日)

歯 ・ 目 ・ X X

男性の老化の順位については昔から俗に 「 歯 ・ 目 ・ X X  」 と言われてきたが、81 歳の私にとっては、歯が順番の最後であった。

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これまで 40 年近くの間、半年毎に歯医者の検診を受け虫歯の孔を埋め、歯石の除去をしてもらったせいで、歯を抜いたのは僅か奥歯の 1 本だけで、これは両側の歯が丈夫だったので ブリッジで対応し、残りの歯は合計で 27 (?) 本あった。

ところが 1 ヶ月前に ブリッジの支柱となる奥歯の 1 本も駄目になったので  インプラントで対応しようと思ったところ、80 歳過ぎの高齢でしかも糖尿病のために無理といわれ 「 部分入れ歯 」 をすることになった。

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上は私が生まれて初めて使用することとなった部分入れ歯で今日 ( 10月 19日 ) で 二日目、鏡を見ながら着脱の練習をした。

厚生省 「 成人歯科保健対策検討会中間報告 」 1989年 ( 平成元年 ) の抜粋によると、

残存歯数が約 20 本あれば 食品の咀嚼 ( そしゃく、噛むこと ) が容易であるとされており、例えば日本人の平均寿命 ( 当時 )である  80 歳で 20 本の歯を残すという 、いわゆる 80 20 ( ハチマル ニイマル ) 運動を目標の 1 つとして設定するのが適切ではないかと考えられる。 」

とあったが、私の場合その目標値に達していた。

ちなみに 76 歳の老妻も私同様に半年毎に歯医者の検診を長年受けていたため、これまで失った歯は 1 本であり、 そこを インプラントにしてから  29 年経っているが、歯医者によれば普通は長くても 20 年以内で駄目になり、これほど長く異常がないのは、「 インプラントの表彰ものだ 」 といっていた。

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歯に限らず身体の各部についても日頃の手入れが必要なことは言うまでもないが、老妻の父親のように 94 歳で亡くなるまで毎晩酒を飲み、タバコを スパスパ吸い、運動もせず医者にも行かずに、最後は 「 体がしんどいから寝るわ 」 といって昼寝をしたものの、30 分後に家族が様子を見に行ったところ亡くなっていた。

死因は心不全であり文字通り ピンピン コロリ の往生であったが、寿命には 遺伝的体質が最も影響することはいうまでもない。私も義父のような死に方を願っているが、多分無理であろう。

2014年10月 8日 (水)

米国籍の 中村教授

私が中村修二氏の名前を知ったのは、今回の ノーベル賞受賞の14~5 年前のことであった。徳島の企業  ( 現 ・ 日亜化学工業 ) に勤めていた社員が青い発光 ダイオードの開発 ・ 発明に成功したが、その報酬をめぐり会社を訴えたことであった。

2001 年のこと、当時 社員の発明 ・ 特許は企業の財産 というのが常識で、会社勤めの技術者が受け取る対価は 数千円から数十 万円程度であり、発明時に日亜化学工業が彼に出した 報賞金も僅か 2 万円であった

企業が得た莫大な利益に比べてあまりにも少ない金額に彼は裁判を起こしたが、その結果一審の判決では 200 億円の支払いを日亜化学工業に命じた。しかし会社が控訴した結果、中村氏との間で 8 億円で示談が成立した。

サラリーマン技術者が 「 正当な報酬 」 を求めて会社を相手に裁判を起こすこと自体が驚きを持って受け止められ、企業活動の中での発明という  「 成果の正当な配分のあり方 」 が議論を呼んだ。

その当時社員の発明や特許は企業のものという考えが日本では一般的であり、1957 年 8 月に東京通信工業 ( 現 ・ ソニー )に勤務していた江崎玲於奈 ( れおな ) 氏が発明した江崎 ダイオード [ トンネルダイオード( tunnel diode )] は、東京通信工業 ( 現 ・ ソニー )に莫大な利益をもたらした。

しかし私の記憶が正しければ江崎氏が得たものは、大卒 サラリーマンの初任給の手取りが 1 万円の時代に、数千円の賞与の増額であった。彼は 1973 年に超伝導体内での同じく  トンネル 効果について功績のあった アイヴァー ・ ジェーバーと共に ノーベル物理学賞を受賞した。

中村修二氏は、青色発光 ダイオードの発明対価をめぐり、日本の産業界に一石を投じた先駆者であり、会社の社員が生み出した 「 発明の対価 」 について広く考えさせるきっかけとなった。

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なお中村氏の国籍については、スウェーデン王立科学 アカデミーの プレス リリースによれば 「 U S citizen、米国市民 」 となっているので、米国に帰化したものと思われるが、 日本では イギリスのような二重国籍は、認められていない。

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