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2014年12月 9日 (火)

最後の高齢者運転講習

来年 4 月に 82 歳になる私の所へ、例の 三年毎に送られて来る 「 高齢者講習のお知らせ 」 ハガキ が届いたが、あと 3 年以上は生きられないので、これが私にとって最後の運転免許更新になるであろう。

Hagaki

ハガキによると満 75 歳以上の者は免許の更新手続きをする前に、

1: 「 講習予備検査 」 の受験、手数料 650 円 および

2: 「 高齢者講習 」 の受講、手数料 5,350円

の合計 六千円が必要であることが分かったが、以前より 150 円ほど安くなっていた。

しかしこれで済むわけではなく運転免許 センターで更新手続きをする際には、更に手数料として 2,500 円が必要であり、合計 8,500 円が必要である。これは アメリカで老人が運転免許の更新をする費用の実に  2.5 倍 も高額である。

なぜそうなるのか、理由は少子高齢化の時代となり 自動車学校経営者と警察官僚が グル になって 、平成 14 年 ( 2002 年 ) に 高齢者講習という集金制度 を作り上げ、貧しい暮らしの 70 歳以上の運転免許保有老人たち ( 772 万人 ) から毎年約 100 億円もの カネ を絞り取ってきたからであった。

私の知る限り世界の国々で、老人に対して高齢者講習を義務付けている国は日本以外には存在しない。

高齢者による事故が頻繁に報道されることで 「 高齢者の運転は危険 」 とする空気が作られつつあるが、よく考えれば高齢者人口が増えれば、それに伴い高齢者の事故件数が増えるのは当然だが、高齢者の事故率が増えることでは決してない。まずは下記を読んで頂こう。

http://www.hey.ne.jp/~ok/driver.htm#koushin

さらに交通安全に関する  O E C D ( Organization for Economic Cooperation and Development : 経 済 協 力 開 発 機 構 ) の 「 年次  レポート 2014 」  を見てみると、

日本の自動車乗用中の安全率は世界一 を実現しているが  高齢者の 歩行中の事故死者 はとびぬけて多い

としている。まずは O E C D が出した、年次報告の 2014 を見て頂こう。

http://spaceglow.wordpress.com/2014/07/30/%e4%ba%a4%e9%80%9a%e5%ae%89%e5%85%a8%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8boecd%e3%81%ae%e5%b9%b4%e6%ac%a1%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%ef%bc%92%ef%bc%90%ef%bc%91%ef%bc%94%e3%82%92%e8%a6%8b/

日本の 高齢事故死者の約  65 %  が 歩行者 であることから、日本では高齢者が歩行に頼る交通を利用している ( 公共交通機関を利用しても歩行は必ず伴う ) ことが大きな原因である。

その証拠の一つとして、日本の 75 歳以上の運転免許保持率が、O E C D の他の諸国に比べて 少ないこと もその 一因である

しかるに日本の警察庁の発表では上記の事故態様について全く触れず、 高齢の 「 歩行者 」 ではなく  「 高齢者 ドライバーが危ない 」 として高齢者による車の運転を止めさせるように指導しているのは、本末転倒である。

なお警察庁発表の 「運転免許統計」 によると、都道府県の公安委員会が認定した指定自動車教習所の卒業者数は平成 23 年 ( 2011 年 ) には約 156 万人であったが、平成14 年 ( 2002年 ) と比べると約  40 万人も減っている。それに伴い、教習所はこの 10年で 100 校以上が廃業に追い込まれた

これは当然のことながら、警察官の天下り ・ 再就職の機会の減少を意味するが、もし高齢者講習制度がなかったならば、最近の若者の車離れにより自動車教習所は壊滅的状態に陥ったであろう。 

高齢者を 「 カネの成る木 」 とみなす警察行政が 、今後運転免許更新のたびに さらに高額な カネ を ムシリ 取る方向に向かうのではないかと心配している。

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コメント

キャプテンお久しぶりです日々寒いですが、お元気そうで何よりです。後三年以上生きられないなんて、さみしい事言わないで下さい!キャプテンのブログ楽しみにしております。引き続き緩みきった世の中をキャプテン流に斬って下さい!お体ご自愛のほど。

ありがとうございます。私は 2 年前に軽い脳梗塞を患い、そのうえ糖尿病、左目の緑内障、腰痛の病気を持ち、毎日 4 種類の薬を服用しながら生きております。

パイロット関係の同期生 15 人中 すでに 10 人が昇天し、( 死亡率 67 % ) 間もなく私の順番ではないかと思っております。 お迎えが 「 突然訪れる日 」 まで、自分なりの人生を楽しむつもりです。

高齢者や歩行困難者こそ安全な交通には自動車運転が必要です。
Spaseglow 引用いただきありがとうございます.
私もあと半年余りで82歳、百歳まで運転免許を保持したいと思っています。イギリスには前例があるようです。
飛行機のオートパイロットとは程遠いと思いますが、八十歳になったのをのを期に、映像分析ソフトやレーダーセンサーなどによる総合的な自動危険回避装備を備え、歩行者センサー、歩行者エアバッグを装着した、市販車では世界初と思われる車、ボルボV40を購入しました。ヨーロッパ車のためか交差点信号を検知しないのが欠点です。

Spaseglow を引用させて頂きありがとうございます。

10数年前に車を買い換える際に ボルボ カーズの セールスマンから、ボルボ S 40 (?) の購入を勧められましたが、それまで長年 トヨタの車に乗っていたので、やはり トヨタ車に決めました。 

私たち夫婦にとっては車に乗れなくなった時点で、有料老人 ホームに入居するつもりです。

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