機内での出産
国内線の場合はすぐに最寄りの空港に着陸できるため機内での出産は滅多にないが、国際線の機内では世界中で年に数回機内での出産が報告されている。
ところで今日 ( 2015 年 5 月 10 日 ) 午後 0 時 50 分ごろ、成田空港から北東に約 565 キロの太平洋上を飛行中の カナダ カルガリー 発 成田行きの エア ・ カナダ 9 便( ボーイング 767 型機 ) が、機内で乗客が出産したとして医療上の緊急事態 ( Medical Emergency ) を宣言し、約 1 時間後に同空港に着陸した。
産気付いた妊婦 ( 22 歳 ) は機内での ドクター ・ コール ( Doctor call 、医者探し ) に応じた乗客である 3 名の医師の手当てにより無事に機内で女児を出産したが、妊娠の何週で出産したかは 報じられていない。
ちなみに ANA の場合、出産予定日から 28 日以内に搭乗の場合は 「 航空旅行の適否 」 に関する医師の診断書が必要であるが 、特に搭乗を「 避けるべき時期 」については明示されていない。
なお国際線の場合、航空会社によっては妊娠 35 週からは搭乗不可の会社、あるいは出産予定日近くになると 「 産婦人科医の付き添い 」 を求められる場合もあるので、予約の段階で必ず確認が必要である。
[ 国籍の血統主義と、出生地主義 ]
今回は公海上を飛ぶ カナダ機内で カナダ人が出産したため、子供は カナダ国籍であるが、もし仮に日本人女性が エア ・ カナダ機に乗り、カルガリー から成田に向かう ルート上にある米国領の アラスカ上空で出産したとすると、生まれた子供は日本 ・ カナダ ・ アメリカの 多重国籍を取得することになる 。
ちなみに 二重国籍を認める国は、イギリス ・ アメリカ ・ カナダをはじめ世界には数多くあり、ブラジルのように国籍離脱を認めない国も存在する。
出生地主義 ( 属地主義 ) をとる アメリカで出産すれば 子供は自動的に アメリカ国籍がもらえるため、大きな腹を抱えた中国人妊婦が ハワイや アメリカ本土に押し寄せ、安い ホテルや民家に 1 ~ 2 ヶ月間下宿しては病院で出産しているが、現地の ブローカー の逮捕が報じられた。
なお海外旅行保険では、「妊娠 ・ 出産 ・早産 ・流産およびこれらにもとづく病気が原因により生じた費用は、保険金の支払い対象とならない 」 と記載されているので、妊婦は要注意である。
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