噴火と 航空機 ( その 1 )
2 月 5 日午後 6 時 56 分頃、鹿児島市の桜島が噴火して噴煙の高さが火口から 2,200 メートル に達し、気象庁は噴火警戒 レベル を入山規制の 3 に引き上げた。
国内で活火山の噴火の影響を直接受け易い空港といえば、阿蘇山に近い熊本空港と、空港への 「 計器進入経路 」 が桜島の噴煙を受け易い鹿児島空港である。
両方の空港とも ジェット機が就航するために市街地に近い熊本の 「 健軍 」 や、海岸にあった 「 鴨池 」 から山に近い台地 ( 鹿児島空港は 霧島市 溝辺町 標高 276 m 、 熊本空港は 上益城郡 益城町 193 m ) に長い滑走路を作り移転 した。
下図は鹿児島空港の 滑走路 3 4 へ計器進入 ( Instrument Approach ) をする場合の進入図 ( アプローチ ・ チャート、Approach Chart ) であるが、冬に多い西風が吹けば時には火山の噴煙の近くを飛行機が着陸のために降下することになる。
昼間や晴天の際は桜島の噴煙を目視できるが、夜間や悪天候の際には見えずに、煙の臭いを嗅いだこともあった。
火山活動が活発なある年のこと、ある機長は鹿児島空港に着陸のために計器進入をおこなったが、悪天候のために 「 手動 」 ではなく 「 自動着陸装置 」 を使い、計器進入着陸とその後の着陸滑走 ( Landing roll out ) を 「 自動 」 でおこなった。
着陸後に気が付くと操縦席の前方の窓 ガラスが 「 擦り ガラス 」 状になっていて、前方視界がかなり失われていたので、側方の窓ご しに見ながら 飛行機を空港 ターミナル へ地上滑走させたとのことであった。
前方窓が 「擦り ガラス」 状になった原因は噴煙 ( 火山灰 ) の中に存在する直径 2 ミリメートル 以下の ガラス 質や岩の細片との 「 衝突による傷 」 であり、窓 ガラスの損傷だけでなく、最悪の場合には ジェット エンジン が停止する場合もある。
日本では長年火山の噴火や地震の予知に膨大な予算を費や して来たが、今回も爆発的噴火に関する事前の情報は何も得られなかった。残念なことである ( 続く )。
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