噴火と航空機 ( 最終回 )
国連の下部機関に国際民間航空機構 ( I CAO、International Civil Aviation Organization、日本では イカオ または アイカオ とも呼ぶ ) という組織があり、本部は カナダ の 東海岸に近い ケベック 州の モントリオール にある。
私は昭和 52 年 ( 1977 年 ) 秋に 計器進入自動着陸 の国際基準 ( カテゴリー 2、3 A、3 B、3 C ) 制定に関する国際会議に日本政府代表の アドバイザー として出席し、3 週間滞在したことがある。
民間航空条約の 44 条の 8 項にある 「 国際航空における飛行の安全を増進すること 」 の見地から、I CAO の提唱により航空機の火山灰による災害を防止 ・ 軽減するため、世界に九つの 航空路火山灰情報センター ( VAAC:Volcanic Ash Advisory Centre )が創設された。
1 : アラスカ 地域、アンカレッジ F I R ( Flight Information Region 、飛行情報区 )、 アメリカ海洋大気庁が担当
2 : アルゼンチン地域、ブエノスアイレス アルゼンチン 国立気象局担当
3 : オーストラリア地域、ダーウィン、 オーストラリア 気象局担当
4 : ロンドン F I R ( 飛行情報区 ): 英国気象庁担当
5 : カナダ地域、モントリオール FIR(飛行情報区): カナダ気象局担当
6 : 日本地域、東京 気象庁担当。黒い三角は平成 26 年 ( 2014 年 ) 7 月 24 日より、東京 VAAC から発表された VAA の火山。
日本国内についていえば、全国で110の活火山を対象として、当たる当たらないは別にして、噴火警報 ・ 予報を発表している。
7 : フランス地域、トゥールーズにある フランス気象局担当
8 : アメリカ地域、ワシントンにある アメリカ海洋大気庁担当
9 : 赤道以南の南太平洋地域、ニュージーランドのウェリントンにある ニュージーランド 気象局担当
ロシア北部および北極地域、南太平洋および南極地域の一部を除き、VAAC はほぼ世界全域を カバー して、航空機の運航に危険を及ぼす火山の噴火活動の情報を提供するようになった。
上の写真は南米の チリ にある、標高 2,240 メートル の プジェウエ ( Puyehue ) 火山が2011年 6 月 5 日に、半世紀ぶりに噴火した時の様子で、火山の噴煙は高度 1 万 メートル ( 3 万 3 千 フィート ) にまで上昇 した。
火山灰は時には気流に乗って何百 キロ も移動拡散するので、航空機にとっては重大な問題である。
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